用語集

051 [ ] 仕上かんな盤

仕上かんな盤 【英】 machine planing

 

■慣用語・別称
超仕上 スーパーサーフェーサ

■機械の構造
通常かんな刃を装着したテーブルをその上部にエンドレスベルトによる送材装置を備え、テーブルと送材装置との間に加工物を挿入して加工物の表面を最後仕上削りする。

■概要
手押しかんな盤、自動かんな盤などで寸法決めされた材を最終表面仕上げし、木材の木目などの美しい持ち味を際立たせるもので、家具、建具、建築、その他木工等あらゆる分野で広範囲に使用されている。テーブルはベースの上部に位置し、テーブル中央部にナイフストック用の受け溝が斜めに設けてあるものと、テーブル中央部に回転可能なターンテーブルを設け、その中央にナイフストックの受け溝を設けてあるものとがある。送り装置は前後にロールを設け、このロール間にエンドレスベルトを掛けて走行させ、エンドレスベルトの摩擦抵抗により加工物を送材するものである。また、送り装置は昇降ねじにより昇降し、加工材の厚みによりテーブルとの間隔が変えられるようになっている。かんな刃は表刃と裏刃があり、セットしたナイフストックに取付け、テーブルに装着する。

052 [ ] 円盤かんな盤

円板かんな盤 【英】 disk planer

 

■慣用語・別称
円盤かんな ディスクプレーナー

■機械の構造
回転軸に垂直に円板を取り付け、その円板に切削部を設けている。その状態は刃口と本刃、裏刃を数箇所放射状にセットし、これを回転させ加工材をテーブル上にのせて定規に当てがいながら、回転する円板に押圧して切削加工する。

■概要
切削方法は、切削機構からいえば”流れ切削”で、木繊維方向に直角に削ることが比較的多く切削抵抗も少ない。また、刃口、本刃、裏刃の切削部関係は逆目の発生を防止するものである。テーブルの上下、及び定規の調整をすることにより、加工材の大・小によって切削箇所の選定と刃物の耐久性を伸ばすことが可能。また、本体は剛性に優れ、保守経費も少なく経済的であり、しかも、円板とテーブルの直角精度は常に正確に調整されており、円板の振れがないことが基本である。加工目的は円板かんな盤は加工用途が広く、古くから桶、樽、及び下駄などの製造にも使用されてきた。今は家具関係、木型、楽器部品、その他小物部品などの面取り、切削仕上げに利用されている。とくに箱物、木口などの仕上げには最適で美しい仕上げ肌が得られる。

053 [ ] 縦突きスライサ

縦突きスライサ 【英】 lengthways veneer slicer

 

■慣用語・別称
スライサー シングルスライサー

■機械の構造
フリッチを繊維方向と平行に送り込み、所定の厚みの単板を切削する機械で、主として集成材の化粧板を製造するもの。機械の大きさは切削幅で表す。

■概要
スライサーは集成材などの表面に貼る単板を作る機械であるが、この単板は厚みの精度と表面の美しさが要求される。美しい肌を持つムク材は年々減少し高額化しており、ますます突板の用途は広くなっている。テーブルはベースの上部に位置し、テーブル中央部に刃物が斜めに設けてある。この刃物の研ぎ角度は突き単板の厚みによって異なるが、普通18~23度位の鋭利な物を使用し、材料進入に対しての刃物の斜行角度は70~85度位にセットする。送り装置は前後にロールを設け、このロール間にエンドレスベルトを掛けて走行させ、摩擦抵抗により加工物を送材するものである。なお、加圧の均一化及び確実さを図るためベルトの中央部はスプリングで加圧された十数本の加圧ロールで加圧されている。また、ベルトの駆動は電動機からの動力を減速機を通して減速し、駆動ロールに伝えられる。

054 [ ] バーチカルミーリングマシン

バーチカルミーリングマシン 【英】 vertical milling machine

 

■慣用語・別称
バーチカルプレナー バーチカル

■機械の構造
バーチカル回転カッターによる上面切削方式のかんな盤。構造は(1)上部フレーム部(2)送材テーブル部(3)下部フレーム部の3つに分かれる。

■概要
(1)上部フレーム部は、4本の支柱で下部フレームに支えられ、自動昇降できる機構であり、カッターが装着されている。カッターは切削部が加工材に対して平行になるようにカッター軸にセットされており、駆動は電動機からVベルトによりカッター軸を高速回転させている。

(2)送材テーブル部は、エンドレスベルト状の特殊ベルトを駆動ロール及びテンションロールにセットし送材する。

(3)下部フレーム部は、箱型の形状になっており、テーブル部、上部フレーム部をそれぞれ関係させて取り付けた機構である。

機械の形状は上面切削方式の他に、下面切削方式、上下面切削方式、ムラ取り上下面切削方式などがあり、加工幅も350mmから1300mmまで多種多様。またカッターも加工材の材質、加工用途に応じていろいろな種類がある。カッターによる切削のため騒音が低く空転時75db(A)、切削時76~80db(A)と低音であり、切削時と空転時における騒音差が少ない。カッターは超硬チップを使い、その着脱方法はカッター軸に1本のボルトで締付けるだけと簡単。バーチカルミーリングマシンはとくに集成柱の芯材、積層材など樹脂・接着剤を含んだ加工材の表面を切削するのに適する機械。他にコクタン、シタン、カリンなど、硬い材質に対し威力を発揮する。

 

055 [ ] フライス盤
056 [ ] 面取り盤

面取り盤 【英】 spindle shaper,moulder

 

■慣用語・別称
面取り 高速面取り

■機械の構造
回転する1本の垂直主軸とテーブルとからなり、主として加工材の端面に付加的に装飾的な面加工を施す機械でルータと共に家具などの加飾的な付加加工を行なう。面取盤による工作は冶具と刃物の組合せによって直線平削り、曲線平削り、直線成形削り、曲線成形削りなどを行なうが「直線」加工は、他の機械でも加工できるので面取り盤としての本領は「曲線」を加工するところにある。

■概要
元来、日本の木製品は直線の組合せによる指物が多く、曲面加工の歴史は洋家具(いわゆるイス、テーブルなどの脚もの家具)が入ってきた明治以後であったこと、しかも、そうした製品の需要は少なく、ほとんどが技能者の手先の器用さによって消化されてきた。こうしたことが曲面加工の木工機械の登場を遅らせたが、昭和30年代半ばから洋家具市場の急成長によって曲面加工を行なう機械の需要が生まれ、それとともに開発が行なわれた機械である。

057 [ ] 直線送りならい面取り盤

直線送りならい面取り盤 【英】 spindle shaper with template control

 

■慣用語・別称
直線ならい面取り

■機械の構造
自動送りするテーブル、主軸ならい装置などからなり、主としてならい側面切削を行なう木工スライス盤。カッタヘッドはテーブルをはさむようにして2個ついており、細長いテーブルは、ヘッドの間を摺動する。テーブル上に加工する形状のならい治具を固定し、加工材をのせて移動するテーブルのならい治具の形状にしたがってカッタヘッドは揺動する。  

■概要
主としてスキーなどの両側面を切削して、形状を作り上げる機械として使用されているが、長尺物の加工を得意とするため住宅部品の柱、スキーなどの特殊な分野で使用されており、家具工場などではあまりみることができない

058 [ ] 回転ならい面取り盤

回転送りならい面取り盤 【英】 automatic shaper

 

■慣用語・別称
回転ならい面取り盤 ロータリー倣面取り盤 自動倣面取り盤

■機械の構造
回転テーブル、主軸、ならい装置などを備え、椅子やテーブル天板などの部材の縁加工向けに使用され、いろいろな面型を自動的に型板にならいながら側面を切削する加工スライス盤の1つ。機械の大きさはテーブルの大きさと有効切削高さで表わし、タイプは比較的小型の単軸のものと、大型の複軸式または多軸式(サンダー機構付4軸タイプなど)のものとがある。  

■概要
回転テーブル上に型板を取り付け、その上に加工材を載せ、上からエアーシリンダ方式の押え装置で押え、そのまま回転しながら型板にころをならわせながら上の加工材を刃物で面型削り加工する。中には刃物軸を交換してルータビットの刃物を取付けて、内周加工のできるものや、サンディング加工ができる機械もある。 単軸式タイプは、主として小型テーブル、椅子の背、座、その他の変形物の加工を中心に外周を切削する。 複軸式または多軸式は、揺動する主軸が相対して2つ備えられ、1軸だけを用いて単軸式と同様の使用法ができるほか、2軸同時に別々の切削加工をすることもできるもの。 自動ロータリー多ピース式は、小短材の1側面を能率的に加工するもので、回転板の円周の大きさによって何個でも可能である。 逆目に関係あるものは複軸、ないものは単軸であり、曲面加工を安全かつ量産化に結び付ける機械である。  

059 [ ] ルータ

ルータ 【英】 router

 

■慣用語・別称
ルータ

■機械の構造
高速回転する垂直主軸、コラム、センタピンを備え、昇降するテーブルなどから構成され、センタピンを案内として、工作物に彫刻、面取り、切抜き、また、直線定規を使い直線加工を行なう木工フライス盤。主軸が昇降するタイプもある。 この機械は、材料や治具(小さな材料を加工する場合、危険防止のために使用する)を手動で送ることを主とした機械で、刃物は二枚刃を標準としているため、刃物の回転が遅いと切削のショックが大きくなり危険となるので、主軸の回転数は毎分20,000回転前後にあげている。構造的には、この高速と強力切削にも振動を起させないフレームと、高速20,000回転に耐える主軸の機構がポイントとなっている。 テーブルの昇降は、丸ハンドルで高さ決めを行ない、昇降用ペダルで大きく昇降させる。また補助ペダルで任意の位置でストップできる機構ももち、深さ決め加工ができる。  

■概要
ルータは引回し、切抜き、穴あけ、座ぐり、内外周の面削り、彫刻などの加工を行なう応用範囲の広い機械である。 収納家具の扉の装飾加工をはじめとし、豊富に用意されているビット(錐)を取替えることによって、あらゆる分野の木材加工に適しているが、一面では細かな作業となることがさけられないため危険が伴なう。危険防止に対応する手段としてNCルータの開発につながったとされている。

060 [ ] 倣いルータ

倣いルータ 【英】 copying router (hand feed)

 

■慣用語・別称
倣いルーター コピールーター

■機械の構造
手で操作用グリップを両手で持って、ゲージブロックに取り付けてあるゲージにガイドローラーを当てて、倣いながら加工を行う。多品種、少品種にかかわらず、複雑な加工を簡単に行うことができる。ゲージを倣いながら加工するので倣いルーターという。  

■概要
基準となるものがゲージ(治具)なので、ゲージは精度のよいものを作らなければならない。加工材は、テーブルが真空吸着型なのでクランプが困難な物でも安全に取付加工することができる。 スピンドルはベルト増速型と高周波モーター型の2種類あるが高周波型の方が安定した加工ができる(高周波モーターの場合は回転数が2,000~20,000回転まで調整できる) NCルータでは高価すぎる場合や汎用ルーターで加工できない薄物、曲物、溝加工等に効果的な機械である。 主な使用工場は、家具工場、ドア工場、枠物工場、プラスチック加工場など  

061 [ ] 数値制御ルータ(並列式)

数値制御ルータ(並列式) 【英】 numerical control router

 

■慣用語・別称
NCルータ

■機械の構造
テーブル、主軸の移動を数値制御(NC=numerical control)により行ない、工作物を加工する木工フライス盤。 刃物軸やテーブルを希望通りに動かしているのがNC装置で、加工形状を数学的に分析したさん孔テープをセットし、その穴を通してくる光を光電管で読みとって機械に送って加工する。通常、数学上のX、Y、Z軸を刃物とテーブルの移動におきかえ2軸、3軸を同時にコントロールし、2次元、3次元の加工を行なう。近年ではさらに軸を増やして4軸、5軸を同時制御する複雑な動きをするNCルーターまで開発されている。 並列タイプとは、加工ヘッドを特殊合金鋼製のレール上に一列にならべたもので、このほかのタイプとして、円形の主軸にルータ軸が同心円状に配列してあり、旋回切削するタレット式がある。

■概要
数値制御とは、加工する形状を数学的に分析してさん孔テープに打ち込み、その穴を通して送られてくる光を読みとって自動的に加工するように制御することで、この制御方式を木工機械に採用したのがNCルータである。 作業としては、ルータと同じで切り抜き、座ぐりおよび面取り、彫刻などの複数曲線、曲面の加工に適し、しかも型板、倣いを使用しないでその精度を正確に出せることが最大のメリットとしているが、加工材の固定と送材が自動(テーブルと刃物が移動する)で行なわれるため、細かい作業を行なうに際しても人手を必要としないことから、危険防止につながっていることは、かくれたNCルータの評価ということができる。 NCルータの特徴をあげると

①作業者に熟練を必要としない
②治具を必要としない
③製品の精度、寸法がよくばらつきがない
④切り抜きと穴あけが同時にできる
⑤モデルチェンジによって、専用機のように使えなくなることがない

等があげられる。 NCルータの性能を説明する手段として、例えば、「4ヘッド4軸同時制御型」というような表現を使う。これは、ボーリング軸とか面取り軸を備えたヘッドを4個もち、X、Y、Z軸のほかにもう1軸(つまり刃物の上下、刃物の動き、テーブルの動きに加えて、もう1つの動きをする)が同時に動くことを意味している。 家具、楽器、高級ドア、住宅部品、電子キャビネットの穴あけ、面取り、切り抜き作業を行ない、また、同時に多数枚のルーティング、ヘッドのルータ軸に刃先形状の異なるルータビットを取付け、多工程のルーティングにも対応でき、NCルータの用途は広い。

062 [ ] 数値制御ルータ(タレット式)

数値制御ルータ(タレット式) 【英】 numerical control router

 

■慣用語・別称
NCルータ タレット式NCルータ

■機械の構造
テーブル、主軸の移動を数値制御(NC=numerical control)により行ない、工作物を加工する木工フライス盤。刃物軸やテーブルを希望通りに動かしているのがNC装置で、加工形状を数学的に分析したさん孔テープをセットし、その穴を通してくる光を光電管で読みとって機械に送って加工する。通常、数字上のX、Y、Z軸を刃物とテーブルの移動におきかえ2軸、3軸を同時にコントロールして2次元、3次元の切削加工を行なう。近年ではさらに数学上の軸数を増して4軸、5軸を同時に制御する複雑な動きをするNCルータまで開発されている。 “タレット”とは、軍事用語で「旋回砲塔」から生まれた用語で、円形の主軸にルータ軸が円心円状に配列してあり、旋回しながら切削するタイプのNCルータをさす。

■概要
数値制御とは、加工する形状を数学的に分析してさん孔テープに打ち込み、その穴を通して送られてくる光を読みとって自動的に加工するように制御することで、この制御方式を木工機械に採用したのがNCルータである。 作業としては、ルータと同じで切り抜き、座ぐりおよび面取り、彫刻などの複数曲線、曲面の加工に適し、しかも型板、倣いを使用しないでその精度を正確に出せることが最大のメリットとしているが、加工材の固定と送材が自動(テーブルと刃物が移動する)で行なわれるため、細かい作業を行なうに際しても人手を必要としないことから、危険防止につながっていることは、かくれたNCルータの評価ということができる。 NCルータの特徴をあげると

①作業者に熟練を必要としない
②治具を必要としない
③製品の精度、寸法がよくばらつきがない
④切り抜きと穴あけが同時にできる
⑤モデルチェンジによって、専用機のように使えなくなることがない

等があげられる。 NCルータの性能を説明する手段として、例えば、「4ヘッド4軸同時制御型」というような表現を使う。これは、ボーリング軸とか面取り軸を備えたヘッドを4個もち、X、Y、Z軸のほかにもう1軸(つまり刃物の上下、刃物の動き、テーブルの動きに加えて、もう1つの動きをする)が同時に動くことを意味している。 家具、楽器、高級ドア、住宅部品、電子キャビネットの穴あけ、面取り、切り抜き作業を行ない、また、同時に多数枚のルーティング、ヘッドのルータ軸に刃先形状の異なるルータビットを取付け、多工程のルーティングにも対応でき、NCルータの用途は広い。

063 [ ] コーナーロッキングマシン

コーナロッキングマシン 【英】 coner locking machine

 

■慣用語・別称
ロッキングマシン コーナーロッキング

■機械の構造
主軸に取り付けた組合せカッターにより、主として「あられ組手」を加工する木工フライス盤。定盤上にセット固定した加工材を定盤ごと下降させることにより組子を切削する。 定盤上の横定規は、下降材の幅と刃物の関係を決め、機械本体側に設置した縦定規は組子の深さを決める。 定盤の昇降は、手動式レバーハンドル操作によるものとモータによる電動式のタイプのものがある。

■概要
コーナロッキングとは、英語のすみ固めの意味で、通常、家具などの引出しの側板と向う板(前板の反対側の板で、さき板とも言う)との組合せ(組子)方法として使用する。理由は、引出しの場合、接合部分に加わる力が大きくダボ構造などを使用しては日常の使用頻度に耐えることができないためこの「あられ組み」の方法をとる。 製造ラインに組込まれるといった派手な存在の機械ではないが、収納家具の生産設備としては必要不可欠の設備。 家具のほか、ミシン、キャビネットなどの引出し、電気機器、計器の箱などで強度を重視した組合せを必要とする分野では必ず導入されている。  

064 [ ] ダブテールマシン

ダブテールマシン 【英】 dovetail machine

 

■慣用語・別称
ダブテール

■機械の構造
複数の主軸とならい装置を備え、あり形カッターにより一対のあり組手を加工する木工フライス盤。回転する刃物軸と前後・左右のガイド板に沿って、手動ハンドルで移動する垂直・水平定盤から構成され、鳩尾形状の組手取り加工を行なう。  

■概要
ダブルテールとは英語で「鳩の尾」を意味し、鳩のシッポの形をした「ありほぞ」と「あり穴」加工するための機械。この組合せ方法は、収納家具の引出の前板と側板との接合に古くから用いられているもので、組子の形状が前板正面からは見えないにもかかわらず、引き出す方向に対して強度を発揮すると同時に、接着剤の接着効果が十分に発揮していない状態でも、構造的な接合度によって、前板を引っぱっても破損しないというすぐれた特徴をもっており、中級、高級品の製品には必ず採用されている。 名人芸を必要としたこの「あり組子」加工が、このダフテールの登場によって、手加工に比べ数百倍の速さ、しかも正確にそして熟練を必要とせず加工ができるということになった。 垂直に立てた引出しの側板の裏側に対し前板の木口を「あり」ピッチ(刃物ピッチ)の半分だけずらして密着させ、双方を一度のセッティングで加工する。 コーナーロッキングマシンとならんで、収納家具の引出し、精密組手を必要とするキャビネット、家電製品などの分野では必要欠くことのできない機械となっている。  

065 [ ] 自動引手穴・蝶番溝加工兼用機

自動引手穴・蝶番溝加工兼用機 【英】 door knob hole and hinge Groove Processing Machine

■慣用語・別称
取手穴 ヒンジルータ 蝶番加工機

■機械の構造
水平横長のテーブル上に加工材を載せ、縦軸のルータ加工及び横軸のカッター加工、または双方を併用して、あらゆる蝶番溝や引手穴加工ができる兼用機として使用する特殊な木工フライス盤の部類に属する機械である。機械の大きさは、テーブルの大きさと移動距離、主軸の上下ストロークで表す。  

■概要
ドアの丸蝶番、蝶番取付溝加工に加えて、家具の抽出し前板の引手穴(丸穴、楕円穴)の加工を主に行い、全軸ユニットの移動はすべてハンドルホイールにより操作できる。2~4本の主軸を備え、同時に2~4個の加工ができ、穴ピッチの精度が必要なドア、家具、ミシンテーブルの蝶番や引手穴などに適する機械として使用される。主軸は軸ブレがないように精度及び耐久性をよくし、コの字形のフレームに固定して上下、左右、前後に摺動昇降する機構である。また、傾斜テーブル治具を使用することにより、傾斜手かけ溝を加工できる装置機能も備えている。  

066 [ ] ほぞ取り盤

ほぞ取り盤 【英】 vertical spindle tenoner

 

■慣用語・別称
立軸ほぞ取り盤

■機械の構造
回転する1本の垂直主軸と移動テーブルからなり、木工フライスカッターによって加工するほぞ取り盤・移動テーブル上に材料をならべ、はな決め定規にあって固定する。まず端切り丸のこで先端がそろえられ、次にけば防止のために毛引き装置で表裏に、ほぞの長さの毛引きを入れたのち、垂直主軸にとりつけられたほぞ取りカッターでほぞ加工する。  

■概要
加工材の一端にほぞを作る機械で、当然のことながら、ほぞを受ける穴をあける角のみ盤と一対をなし、建具、高級ドア工場では必要欠くことのできない設備である。 垂直カッター軸に装着するカッターと間座の組合せによって一枚ほぞ、二枚ほぞ、馬乗りほぞなどの加工から組子加工、留めほぞ加工もできるため、建具工場のほか枠物の留めほぞ加工、箱物の組子加工の工場でも使用される。
2本の水平主軸をもち、かんな刃などではほぞ加工を行うのが
・横軸ほぞ取り盤〔(英) tenonerchlitzmaschinen 慣用語・別称 ほぞ取り盤〕
一枚ほぞ、片ほぞ専用機で、端切り丸のこで先端をそろえたあとでほぞ加工する。けば防止の毛引き装置は通常かんな胴に取りつけられてある。

067 [ ] 多軸ほぞ取り盤

多軸ほぞ取り盤 【英】 multi-head tenoner

 

■慣用語・別称
ほぞ取り盤 ほぞ取り

■機械の構造
4本以上の主軸に取り付けられた各種の刃物により加工するほぞ取り盤。端切り丸のこ、上横かんな、垂直カッター軸の4軸を備え、これに加工材を固定し手動によって往復運動を行なうテーブル(定規、材料固定装置付)がついている。 テーブル上に材料を固定し、まず端切り丸のこで加工材の先端をそろえ、次に毛引き刃付きの上横かんな、下横かんなの間を横けずり方式で一枚ほぞを作る。そして立軸カッターで馬乗ほぞや、二枚ほぞとなるように仕上げ加工をふくめた未加工部分を加工して完了する。

■概要
機能的には立軸ほぞ取り盤と横軸ほぞ取り盤をドッキングさせたもので、馬乗りほぞ、二枚ほぞの加工が立軸ほぞ取り盤と同じように加工できるが、最初に横軸かんな胴で粗加工してから、立軸カッターで切削するため、立軸主軸の切削負担を軽くするようになっている。
ほぞで大切なことは、穴に対するほぞの厚さと長さ、そして接合部の外観を形勢する胴付け部の工作にあるとされている。昇降丸のこ盤を使用してほぞ取り加工もできるが、作業能率、精度とも専用機に劣ることはいうまでもない。 主軸数も4軸となると、セット決め時間が問題となる。これの短縮を図るため、ほぞの形状と刃物軸の位置をコンピュータに記憶させて、必要なときにボタン操作によってフィードバックさせる新鋭機も開発されている。同機を使用することによって高度の技術を必要とせずボタンを押すだけで、しかも、刃物のセット決め時を従来機の約30分の1に短縮でき、多品種少量生産にも対応できるほぞ取り盤ということができる。 障子、ガラス戸、ドアなどの建具工場からドア枠などの住宅部品工場は必要不可欠の設備となっている。

068 [ ] 両端ほぞ取り盤

両端ほぞ取り盤 【英】 double end tenoner

 

■慣用語・別称
ダブルエンドテノーナ テノーナ

■機械の構造
左右にコラムを配し、一方を固定、他方を移動方式とし、コラムに装備したエンドレスのキャタピラチェーンによって自動送材し、のこ軸のほかにカッタ軸を備えて工作物の左右両端の切断、仕上げと同時に各種の面取り加工、ほぞ、溝、段欠きなどの加工をする機械。工作物の途中から溝加工をして途中で終える「止まり溝突き」加工もジャンピング装置を装備することも可能となり、多目的な用途を持った機械ということができる。加工内容によって機械の大きさ、軸数、コラムの型式などが決まってくることから、ダブルエンドテノーナを選択するにあたっては、まず何をどのように加工するかを決めることが要求される。  

■概要
木工における代表的な接合方法の一つである“ほぞ”の加工から、直線面取り、止まり溝突きと多目的な加工を特徴とすることから、収納家具のフラッシュパネル、大型住宅パネルのサイズを決め、ドアにおけるほぞ加工と多くの分野で使用されており、高性能、高能率を要求する量産工場では欠くことのできない設備となっている。 外観では非常に似ているダブルサイザの加工がサイズ決定を主とした機械であることから、来たるべき将来を予測してダブルサイザよりダブルエンドテノーナを採用する傾向にある。(ダブルサイザのテノーナ化の傾向も、近年の特徴のひとつ) エッヂバンダー(縁貼機)の普及にともない、縁材が貼られる加工物の精度が要求されるようになってきており、ダブルエンドテノーナとエッヂバンダーとのコンビネーションマシンなども登場しておりパーティクルボードを材料とするシステムキッチンにおいても欠くことのできない設備となっている。また、木造在来工法住宅用構造材のプレカット工場においてもダブルエンドテノーナは重要な存在にあり、複雑多岐にわたる機械の切断およびほぞ加工に威力を発揮している。 ダブルエンドテノーナは、ダブルサイザの板材、パネルの寸法決定加工を主眼とする機械とちがってほぞ、直線面取、止め溝突き加工と多彩な加工が可能なため、それだけに軸数も多くなっていること、またコラムの開閉、定規の調整に手間どり、長時間を費やすなどの欠点がある。 こうした欠点をもつセット変え(寸法セット)の方法を、マイクロコンピュータに記憶させ、加工時にはボタン操作によって呼びだす新鋭機も登場しており、セット変え時間を従来機に比べ10分の1から30分の1へと大幅短縮することを可能としている。これによって多品種少量生産への対応、1本ごとに長さのちがう木造在来住宅の構造材プレカットの生産、効率のアップに大きく貢献している。  

069 [ ] エンドマッチャ

エンドマッチャ 【英】 end matcher

 

■慣用語・別称
エンドマッチャ

■機械の構造
厚板フローリングボード(床板)などの両木口を、縦継手用の凸型(おざね)と、凹型(めざね)に加工する専用のほぞ取り盤。機械の大きさは加工することができる最大幅および最大厚さで表わす。  

■概要
主に床板の加工に用いられ、厚板の木口端の本ざね方雄雌(本核継ぎ)を加工する専用機である。雄雌のカッターが機体両側で自動的に昇降し、加工材の端面をこれに突っ込んで加工するもので、自動式のタイプが多い。核(ほぞ)をとる機械を“オチ取り盤”、溝をつくる方を“ツメ取り盤”と言い、両者を1つの台に結合している。また、機体は堅牢な立形構造で、刃物軸はいずれも完全な電動機直結式であるが、この機械は2人コンビで作業するようになっており、1人が左側、もう1人は右側に位置し、刃物が上に上がった時に材を定規に当てて挿入し、加工が終了し、刃物が上がった時に引き出して機械のフレームの窓から反対側にいる人に渡す。反対側でこの材を受け取った人は材を手操り寄せて他端を定規に当てて挿入し、反対側の木口の加工をする使い方が一般的に行われている。  

070 [ ] カットボーリングマシン

カットボーリングマシン 【英】 cut and boring machine

 

■慣用語・別称
カットボーラー

■機械の構造
ガイドがついた定盤の一方に、切断用の丸のこ、ダボ穴開け用のボーリングカッター、内面取用のボーリング錐(きり)を装備した固定ヘッドを置き、全く同様の機能を持つ移動ヘッドを定盤上にセットしたもの。左右類似形、寸法調整のメジャー、移動ヘッド調整用のハンドル、各3つずつ、計6台のモーター、操作盤などから構成されている。  

■概要
椅子やテーブル類の平板、曲げ物といった部材を両端同時に丸のこでの切断、錐型カッターでの内面取り、ボーリングカッターでの穴開けなど一連の加工を自動的に行なおうというもので、大手の脚物家具工場の量産ラインに採用されている。

071 [ ] 継ぎ手・仕口加工盤

継ぎ手・仕口加工盤 【英】 universal tenoning machine

 

■慣用語・別称
建具用ほぞ取り盤 プレカットマシン

■機械の構造
回転する主軸にオス・メス専用のほぞ取りカッターを取り付けて、木造住宅部材としての腰掛アリ継ぎ、大入れアリ継ぎ、腰掛カマ継ぎ、根太掘りから一般平ほぞなどの広範囲な加工ができる日本独自の建築用ほぞ取り盤。機械の大きさは、加工することができるほぞ最大長さ及び高さで表わす。  

■概要
高速回転する刃物が滑らかに昇降及び旋回運動(手動式と油圧自動式とがある)し、加工材移動の楽なローラー式テーブルによって、オス加工、アリメス加工、カマメス加工などの各種仕口継手加工が簡単にできる専用機。刃物は胴付面仕上げカッター及びほぞ端面取仕上げカッターの取付ができるのでほぞ寸法はより正確に仕上がる。また、木口へのほぞ及びほぞ穴加工、木端に対するほぞ穴加工(両木両面同時加工も可能)が行え、加工材の搬送、クランプ、刃物交換などの段取りが短縮できる量産向けの自動仕口加工盤もある。このほか、長尺部材のオス加工時に使用する欠き取り軸装置や、それぞれ幅にバラツキのある部材を加工する際に胴付面の隙間をなくす欠き取り軸装置を取り付けた機種も開発されている。
仕口加工盤は、木造住宅構造部材仕口継手加工機械の中で1番メインとなる機種でありこれを基にプレスカット工法(pre-cut system)の加工工場のライン構成がなされるもの。自動仕口加工盤を基にして、さらに使い易く単能機化または専用機化したり、他の機能と組合せて複合化した各種継手仕口加工機へと、その機種を増し、在来工法構造材のプレカットに必要な各種機械は今や50機種強にのぼっている。機械プレカットはさらにCAD/CAMシステム(コンピューター制御による設計・構造)FMS(フレキシブル・マニュファクチュアリング・システム)生産方式によるものまでに及んでいる建築用機械の1つ。

072 [ ] ボール盤

ボール盤 【英】 wood borer,wood drilling machine

 

■慣用語・別称
ボール盤 ボーリング

■機械の構造
1本の垂直刃物軸にドリルを取り付け、刃物軸をその軸方向に垂直に送り込み、1回に1個の穴を掘る木工せん孔盤。  

■概要
木材の穴開けに用いる最も基本的な機械で、丸穴、角穴などを掘る。障子の桟をはじめ各種の材料に使用される。ボール盤はダボ構造の接合方法で、ヨーロッパからダボ接合法が輸入される時を同じくして開発された機械。近年は多数のダボで接合される木工製品が多くなったため、多軸ボール盤が主流となっている。  

073 [ ] 多軸ボール盤

多軸ボール盤 【英】 multi-head wood borer

 

■慣用語・別称
多軸ボール盤 多軸ボーリング だぼ穴ボーリング ボデーボーラ

■機械の構造
間隔を調節できる2本以上の垂直主軸を備え、同時に2個以上の穴あけが出来る木工せん孔盤。また2個以上の主軸頭を取り付けたものもある。

■概要
収納家具などでフラッシュパネルの組み立て接合に“タボ”が採用されるようになったのは、昭和30年代半ばからで西ドイツから紹介された接合方法。その後、収納家具の組み立て方法として急速に普及して、接合方法は“ダボ”接合しかない、という状態にまで定着している。それにともないフラッシュパネルに穴をあけるボーリングマシンは、収納家具工場として必要不可欠の設備になっていることはいうまでもない。 ボーリングマシンによって穴をあけることは、接合部分だけでなく、例えば移動式の棚板を採用する場合においても必要となり、穴の位置の正確さは、製品の組み立て精度にも直結してくることで、ボーリングマシンの精度のもつ重要性は大きい。 主軸の数が多いため、穴あけの位置を決めるセット決めに時間がかかるのがボーリングマシンの欠点で、これを解消するため、加工位置をコンピュータに記憶させるタイプとか自由に穴あけ位置を決めることができるNC制御タイプのボーリングマシンも開発されている。 穴あけ位置を記憶させたコンピュータ装備のボーリングマシンを使用すると、セット決め時間は、従来機の10分の1の時間で済むというデータが出ている。 省力化をねらい「フラッシュパネル加工ライン(箱物家具パネル加工ライン)」を導入する工場では、自動送り込み装置付のボーリングマシンの存在は必要不可欠のものとなっており、こうしたラインは通常ダブルエンドテノーナ→90度転換ロボット→ダブルエンドテノーナ→自動送り込み装置付ボーリング→ダボ打込み機という構成となり、ラインからでてきたパネルは即組み立て可能ということになる。

074 [ ] 横多軸ボール盤

横多軸ボール盤 【英】 horizontal multi-spindle wood borer

 

■慣用語・別称
横ボーリングマシン 両木口横ボーリングマシン 横ボーラ

■機械の構造
間隔を調整できる2本以上の水平主軸を備え、同時に2個以上の穴あけができる横型の木工せん孔盤。加工機を上部より固定し、これに対して主軸が動いて穴あけが行なわれる。作業が終ると主軸はもどり、加工機の固定がはずれる。

■概要
多軸ボール盤が板面に対して垂直に穴あけするのに対して、横多軸ボール盤は木口面の穴あけ作業専用とする。そのため棒状の材料あるいは引出しの側板などの穴あけ作業に使用することが多い。 ボーリングで穴あけし、ダボ接合する場合、強度をもたせ、両部材の正確な関係を継続するためには、2個以上の穴を必要とし、できれば両部材の穴を同一錐、同一間隔であけることが望ましい、とされている。そのため、ダボ穴用ボーリングマシンとしては
(1)主軸を2個以上備えていること
(2)2軸以上ある主軸全体が動いて穴あけができること
が必要とされている。  

075 [ ] NC角のみ盤

NC角のみ盤 【英】 numerical control hollowchisel mortiser

 

■慣用語・別称
NC角のみ

■機械の構造
数値制御により、材料の搬入、搬出を自動的に行ない、複数の穴あけ、建具穴加工を行なう。

■概要
だぼによる木工製品の接合方法が近年増えている。ほぞ接合に比較して精度が高い、能率がよい、接合強度が大きいなどの利点がダボ接合を流行させている。NC角のみ機は、他のNC機に見られるように、角のみ作業の無人化を進めるべく開発されたものである。操作は画面表示される図面、数値によって行ない、量産の穴あけ加工機として需要が拡大している。

076 [ ] 角のみ盤

角のみ盤 【英】 hollowchisel mortiser

 

■慣用語・別称
角のみ のみ盤 角のみ機

ほぞ穴あけをする専用の機械で、木材加工特有の加工法。角のみ盤は、一般手動汎用角のみ盤、自動サイクル昇降式式角のみ盤、多頭角のみ盤、可搬角のみ盤、チェーンせん孔盤、結合角のみ盤などのタイプに分かれている。

◎シングル角のみ盤
■機械の構造
コラム、主軸頭、移動テーブルなどからなり、角のみを上下運動させ、角ほぞ穴を加工する木工せん孔盤で、機械の大きさは最大角のみ寸法で表わす。
■概要
角のみ盤は、垂直方形または円筒型の機体と、この前部中央に取り付けられて左右に大きく滑動し、前後、上下に微動調整できるテーブル、機体上部側面に垂直に取り付けられ、レバーハンドル操作により大きく上下に動かせる主軸筒よりなる。主軸筒には主軸下刃氏に角のみ刃が取り付けられ、錐とのみとは一体になって上下に動かされ、手動式操作タイプが主流であるが、空気圧や油圧による自動式のものもある。 自動角のみ盤はレバーハンドル操作を主としてクランク回転式で動かし、作動のタイミングは足踏ペダルで行なう。両手が加工材及びテーブル操作に使えるので便利である。

◎自動多頭角のみ盤 (英) multi-head hollowchisel mortiser
■機械の構造
コラム、2個以上の主軸頭、移動テーブルなどからなり、機械の大きさは主軸頭数及び最大角のみ寸法で表わす。
■概要
大きな門形の機体に、上下に大きく動かせる水平なバーに対して、2から4、5個の角のみ主軸頭を取り付け、機体下部には上下、前後に調整できるテーブルからなりハンドルによって左右に一定距離だけ動かせる。主軸ヘッドはバーと一緒に自動的に昇降し、長い加工材に1工程で長方形のほぞ穴を数個あけることができるため、家具や襖加工ラインなどの量産の角穴加工に最適であり、中には建具の縦棧専用機として主軸ヘッドが8軸タイプのものもある。

◎可搬角のみ盤 (英) portable hollowchisel mortiser
■機械の構造
主として加工材に取り付けて使用し、角ほぞ穴を加工する可搬式の木工せん孔盤。
■概要
携帯用、持ち運びができる角のみ機を言い、建築大工工事で使用される。

◎チェーンせん孔盤 (英) chain mortiser
■機械の構造
チェーン状刃物により、主として角ほぞ穴を加工する木工せん孔盤で、機械の大きさはチェーンの最大幅で表わす。
■概要
きりのみの代りにチェーンカッター(鎖のみ)で穿こうとするもので、チェーンは上下のスプロケット(鎖車)にかけられ、バーで張られる。鎖には刃物が付けられ、高速で回転し、下部スプロケット部分がそのままのみとなって、材に穿こうする。スプロケットの直径の大小によって任意の寸法の長方形の穴をあけることができるが、穴そこの隅部が円弧状をなす欠点がある。主に建築用部材の角穴や貫き穴加工の作業で使用される。

◎結合角のみ盤 (英) hollow chisel and chain mortiser
■機械の構造
チェーンせん孔盤と角のみ盤を結合した木工せん孔盤で、機械の大きさはチェーンの最大幅及び最大角のみ寸法で表わす。
■概要
チェーンのみによる切削でできた穴そこ隈部の円弧状の残部を切り崩すためにチェーンと同一直線状に普通の角のみを設置したもので、チェーンと角のみはそれぞれ別に操作する。

077 [ ] 普通旋盤

普通旋盤 【英】 wood lathe,wood turning lathe

 

■慣用語・別称
旋盤 木工旋盤

■機械の構造
加工物に、主としてバイト(木工旋盤の工作に用いる刃物)または回転刃物により旋削加工を行なう機械のことを木工旋盤といい、ベッド、主軸台、芯押台、および復台よいわれる刃物受台を備えた旋盤を普通旋盤と称している。往復台の送りが手動のもの、あるいは刃物が案内によって動くタイプもある。 木工旋盤といわれるものに

・木工簡易旋盤 (英) wood lathe
主軸台、芯押台、刃物受台などからなり、工作物を手持ちバイトによって加工する簡単な旋盤
・ 木工卓上旋盤 (英) bench wood lathe
小型の木工旋盤
・木工多刃旋盤 (英) wood multi-cut lathe
数個の刃物台に取り付けられた多数の工具により同時に旋削できる木工旋盤
・木工穴あけ旋盤 (英) wood boring lathe
主軸台、刃物台、チャッキングカップなどで構成され、主として木管などの穴あけ加工をする木製旋盤。  

■概要
木工機械を大別すると刃物を回転しながら加工するものと材料を回転して加工するものにわかれる。この材料を回転して加工する機械のことを旋削機と分類しており、旋盤とかろくろなどがある。ろくろとならんで木工旋盤は最も古い木工機械に属する。 木工旋盤の工作にはバイトのコントロールに熟練した技能を必要とし、作業要領としては
①大径の加工材は低速回転で、小径の加工機は高速回転で行なう
②前加工を十分にしてからセットする
③芯出しを正しくして、確実にチャックに取り付ける
④作業に適てたバイトを選ぶ
⑤刃物台の高さは材料、形状に応じて調整する
⑥バイトは正しく確実に把持する(右手で柄を持ち、左手で刃物台に確実に押し付けて親指および人さし指でコントロールする。)
木工旋盤のユーザーは、収納家具とか建具工場で使用されることは特別な部品を作る以外にまず考えられない。脚物家具(ウィンザータイプの食堂セット、応援セットの肘かけ部分の飾りなど)で使用されるほか、玉のれんなどの小木工品の分野で使用される。  

078 [ ] ならい旋盤

ならい旋盤 【英】 wood copying lathe,wood profiling lathe

 

■慣用語・別称
コッピングマシン コッピングレース プロファイルレース

■機械の構造
複数の加工材の取付け軸とモデルの取付け軸をそなえ、両方を回転させてモデルに密着させたトレーサと刃物とを同一の刃物台で連結させ、一回のセッティングで複数の加工を行なう木工旋盤。加工材の取付けは、通常水平式とするが、垂直式タイプもある。 モデルと加工機は低速で回転するが、刃物は毎分5,000から10,000回転の高速で回転してモデルの形状にしたがって自動切削する。
・木工カッタ旋盤 (英)wood shopping lathe〕  加工材を取付ける主軸台、芯押し台とその回転機構を備え、加工材と平行にカッタ軸を配し、その回転機構があるカッタ軸には所定の曲線刃先を持つ総形カッタが取付けてあり、高速回転させる。  カッタは、加工曲線の創造と再研摩が容易にできるように、必要に応じて数個に分割してある。  

■概要
木工旋盤といえば、刃物を手で持って、これを手加減して加工材に押し当てて切削作業を行ない、所定の加工物をつくりあげるのであったが、これでは加工物の仕上がりが、作業者の技能、熟練に左右されることが大きく、また、作業効率も悪い。これの能率化、均一製品の量産を目的として自動化されたのが、この木工ならい旋盤とカッタ旋盤である。  木工ならい旋盤は、応援セット肘かけ、テーブル、いすなどのネコ脚、銃床などの異断面を持つ工作物を機械的に量産できるようにし、木工カッタ旋盤は、複雑な曲線の加工をきわめて能率的、かつ安全に行なう。木工ならい旋盤は、特殊加工を主作業とする専用機となるため使用分野は限定されるが、木工カッタ旋盤は、ウインザー調の食堂イス、階段手摺などの量産を志向する家具工場、住宅部品・部材メーカーバットなどのスポーツ用品メーカーで使用される。  なお、JIS-B-0114-1975「木材加工機械の名称に関する用語」によると「木工ならい旋盤」とは、いわゆる業界でいうコッピングマシンをさしているが、これとは別にJISにはもり込まれていないものの、バイトの移動を一定の形板に沿って行なう木工旋盤を業界では「木工ならい旋盤」という名称で生産している。

079 [ ] 正面旋盤

正面旋盤 【英】 wood lathe

■慣用語・別称
木工ろくろ ろくろ

■機械の構造
基本的な装置としては、加工素材を回転させる主軸(駆動部)と素材を取り付けるチャッキング治具、切削するためのならい装置(刃物台)で構成されている。主軸の回転刃、加工の大きさ、素材の材質によって回転数を変えられる機構であることが必要である。加工素材を取り付けるためのチャッキング方法は、板物の場合の真空ポンプによる真空吸着法と、棒物の場合のスクロールチャックなど機械式チャッキング治具で締め付ける方法がある。 

■概要
一般的に挽物と称される木製の茶たく、盆、椀、花びん、飾り棒等の円状、複雑な形状の加工に使用されている。板材、棒材の円形加工機であるが、特に複雑な曲線形状加工にも適しており、多品種少量・多量加工いずれにも対応できる。使用している主な業種は、民芸品加工業、家具加工業、建築(大工)、木型工場、一般木工所、各種学校(造形)など。  

080 [ ] 自動丸棒削り盤

自動丸棒削り盤自動丸棒削り盤 【英】 round bar making machine

 

■慣用語・別称
丸棒削り ラッパかんな盤

■機械の構造
自動送り込み装置を備え、回転する中空かんな胴の内側にむかって取り付けた刃物により丸棒を削りだす木工旋盤。 ラッパ状の刃物を高速回転させ、これに加工する角材を送り込んで丸棒に旋削する刃物は、通常平型半円径の刃先となっており、曲線部で荒削りをしたのち直線部で仕上げ削りを行なう。したがって、刃先の内径がそのまま丸棒の直径ということになる。  

■概要
食堂イス、住宅部材などの分野において丸材の需要は高くなっており、それにともない、丸棒削り盤も、手動タイプのものから量産を目的とした自動送りタイプへ転換していった。 近年の間伐小径木の有効活用の一分野として、間伐材を均一の丸棒に旋削して、各種インテリア用品、あるいはエクステリア用品、バンガローなどを開発する動きもあり、丸棒削り盤は新たな展開をみせようとしている。 小径の丸棒は、脚物家具工場、小木工品工場においてみられるが、住宅部材、間伐材を旋削するタイプとなると直径10cmあまりの丸棒削り盤となる。  

081 [ ] 数値制御ルータレース

数値制御ルータレース 【英】 numerical control router lathe

 

■慣用語・別称
NCルータレース

■機械の構造
ルーターヘッド、主軸台および芯押し台を備え、数値制御(NC=NumericalControl)により工作物をフライス削りする木工旋盤。通常、X、Y、Z軸制御によるNCルータのテーブル上に、主軸台、芯押し台などのルータレース装置を装備したもので、通常、工作物の旋回もNC制御で行なうため4軸制御の構造となっている。 ルータヘッドの数を増やすことによって、一回のセッティングによって複数の加工が可能となる。  

■概要
数値制御によって、加工するため、ならい装置を必要としないことが最大の特徴とする。しかも、高精度の加工が可能であり、従来、木工旋盤や専用機だけでしか加工できなかった旋削加工とルータ加工を同時に行なえるようにした功績は大きく、同機の登場によって複雑曲線をもった木材加工品の開発の量産化を可能にしている。数値制御ルータレースの特徴は
①作業の熟練を必要としない(木工旋盤の場合、バイトのコントロールを手で行なうため、特に熟練を必要とする)
②試作も容易
③製品の精度が高く、ばらつきがない
④製品のモデルチェンジの都合、ならいモデルが必要なくなり、また専用機のように機械自体が使えなくなることもない。
加工を指令するNCテープの作成方法としては、従来のマニュアル計算の方法から、自動プログラミングによる方法、モデルを倣うトレーサシステムの方法があるかトレーサシステムが一番簡便と、いうことになる。 応接セット、食堂セットの家具工場ではいすの脚部、座卓、テーブルの脚部、そのほか装飾用のくり棒、棒もの、脚ものの複雑な成形加工、彫刻模様彫りに使用される。 また、住宅洋風化にともない住宅部品工場では、階段手摺りなどの装飾部品をはじめとする内装装飾部材の加工にも威力を発揮している。

082 [ ] ベルトサンダ

ベルトサンダ 【英】 hand stroke belt sander

 

■慣用語・別称
三点サンダー

■機械の構造
木工作業では多種多様なサンディングマシーンが使用されているが、研磨布紙の形状や加工材との接触状態から、ベルトサンダ、スピンドルサンダ(ドラムやホイールサンダー)とディスクサンダの3タイプが代表的である。 このうちベルトサンダには、ダブルエッジベルトサンダ、立ベルトサンダ、自在ベルトサンダなどがある。基本的には2個から4個のプーリにエンドレス研磨ベルトを掛け、そのうち1つのプーリを主動輪としてベルトを走行させ、他のプーリを従動輪兼ベルト緊張輪としたり、また、それを2つのプーリに分担させたりする仕組みを持つもので、水平型のものと立て形のものがある。  

■概要
サンディングの目的は、研削作業で切削工程をまかなってしまおうというものと、既加工面を所定の形状、寸法により精度を高め、被塗装面、仕上げ面としようとする仕上げ研磨、塗膜の表面の凸凹を平滑にするために行なう塗装研磨の3つがある。 これまでサンディング作業は、塗装仕上げを行なってきた家具工場を中心に発展してきたが、住宅のインテリアの充実などから住宅部材もカラーコントロールされるようになり、建築資材の工場にも塗装とともに用途を広げている

083 [ ] ワイドベルトサンダ

ワイドベルトサンダ 【英】 wide belt sander

 

■慣用語・別称
ワイドサンダー ワイドベルト ワイド

■機械の構造
回転する2本以上のドラムプーリーに、その全長にわたって掛けられた1枚のエンドレス研磨布紙によって、自動送りされる加工材などの表面を切削する機械であり、2組以上組合わせた機種もある。 

■概要
ベルト状の研磨布紙を2ヶ所以上のローラーにセットし、そのうち、1~2ヶ所を駆動させ、低速から高速まで幅広く回転させる。また、研磨布紙に対応する面に送材部を設け、加工材を研磨布紙に押圧しながら送材して、加工材の研削研磨及び塗装面の研磨までできる。なお、研磨布紙の粒度は加工材に適したものを選び、装着する。回転速度は仕上げ状態により変更することができる。 サンディングの目的とその特性は
①研削をもって切削の代わりとするドラム型使用
②加工面の仕上げ研磨のドラム・パッドの組合わせを使用
③塗装面の研磨のパッド型使用
に分けられる。(すべて上面切削式の1ヘッドタイプの場合) この他、2ヘッド式、3ヘッド式、下面研削研磨式、上下面研削研磨式、ドラム式など多種様々な形式もある。 サンダは平面の研削研磨を行なう目的のもので、その用途は木工一般の木地、塗装面をはじめ、合板や樹脂などの幅広い分野にまで利用できる。

084 [ ] スピンドルサンダ
085 [ ] 曲面サンダ

曲面サンダ 【英】 profile sanding machine

 

■慣用語・別称
プロフィールサンダー

■機械の構造
上側の押え装置(ロール式、ベルト式)で加工物を固定し、下側のエンドレスキャタピラによって自動送材する。研磨布紙(サンドペーパーユニットは、加工材の面型形状により角度、上下、前後調整機能を有する。使用目的により、ペーパーユニットも、1ユニットから複数ユニットを持つものまで用意されている。 

■概要
製品の付加価値向上を図る手段として収納家具において複数曲面の組み合わせが重視され、それにともない塗装も重視される傾向にある。塗装が重視されると、必然的に塗面研磨、そして塗料の付着性と形状を整えるための木地研磨の重要性が認識されてプロフィルサンダは家具を中心とする木材加工企業にとって必要不可欠の機械となっている。木地研磨、塗面研磨用と一工場で数台配置している企業もある。 プロフィルサンダとルータ(倣い式、NC式)とのコンビネーションマシンも開発されている。 ユーザーとしては、収納家具、食堂セットメーカー、住宅部品、部材メーカーを中心とする家具、建具メーカーがあげられる。

086 [ ] ブラシサンダ

ブラシサンダー 【英】 brush sander

 

■慣用語・別称
デアルフレキシブルサンダー

■機械の構造
研磨砥粒入りナイロンブラシ4本を無段に回転数を変化させ、その中に加工材を送りベルト上にのせ自動送材しながら研磨をする。 第1、 第2ブラシは図のように送りに対して直角に揺動し各ブラシは回転方向を逆にして前面を均一に研磨する。 第3、第4のみの機械もある。  

■概要
手仕上しか出来なかった凸凹の有る家具部材、枠物、扉等複雑な曲面やコーナーの表面の木地、ケバ取り、塗面研磨が均一に研磨出来る。 各ヘッドは角度が変更でき複雑な曲面にもグリットブラシが均一に当り研磨出来る。 各ヘッドは回転数を自由に制御することにより加工材の角及びピン角のオーバーサンディングを防ぐ。 騒音、埃等作業環境の改善、省力省人化出来る。  

087 [ ] NCサンダ

NCサンダー 【英】 numerical control sander

 

■慣用語・別称
CNCサンダー

■機械の構造
加工物をテーブルに固定しXYZC軸を数値制御にて内面、外面、平面を一行程でサンディングを加工する。
サンディングヘッドはペーパー、ホイール等、加工用途に合せてサンディング工具を自由に選択出来る機械も有る。
 

■概要
手仕上しかできなかった内外周曲面のサンディング加工を数値制御によりサンディングを行なう。 また倣い加工による治具型板も必要としないで製品の均一化、精度UPが出来る。 サンディングヘッドはクッション機構を装備、一定の圧力でサンディングができ、木地研磨、塗面研磨が出来る。 作業者に熟練を必要としない。 騒音、サンディングの埃等作業環境の改良、省力省人化の出来る機械。 家具、楽器、住宅部材等自由曲面のサンディング加工が出来る。

088 [ ] フィンガジョインタ

フィンガジョインタ 【英】 finger jointer

 

■慣用語・別称
フィンガージョインター ミニフィンガージョインター

■機械の構造
木材の強度の向上、そして工学的に大径、幅広板を作る方法で、木材の欠点であるクサレなどを除去した板または角材などの木口端面をカッターなどによって継手加工を施し、これを長さ方向に接合し、長尺材に再生するもの。主に集成材加工ラインなどに採用されるため、自動化、無人化が進められており、ローラーや送り装置が目立つが、基本になるのは、端面やフシの部分などを切断する木口切りカッター、継手加工を行なうフィンガーカッター、継手部分に糊付を施す糊付ローラー、接合部分を配列、セットし圧縮プレスする三つの工程である。加工にはフィンガーカッターを用いたりするが、セットする機械としては、立て軸ほぞ取り盤、面取り盤などを使用することもできるように、すでに単独の機械としては開発されたものではあるが、三つ全部か、二つの工程を自動的に連続したものがフィンガージョイント製造機であり、プラント設備として位置づけられているものである。 

■概要
フィンガーの加工方向による分類として木理に平行な方向に加工する。加工材の厚さの方にフィンガー加工する水平フィンガージョイントと木理に対し垂直な方向に加工する、加工材の幅の方にフィンガー加工する垂直フィンガージョイントに分けられているが、これらはそれぞれ次のような特徴を持っている。

●水平フィンガー
・フィンガーシェパーカッターが薄くてよい
・特に針葉樹の場合は木理による材のにげが生じやすく、正確なフィンガー形状の加工がむずかしい
・厚さ方向のバラツキが生じ易いため、これを防止する対策が必要である。
・特に針葉樹の場合木理によって圧締時に割れが発生しやすい。

●垂直フィンガー
・フィンガーカッターが厚く必要(カッター数が多い)
・所要動力が大きい
・フィンガー加工時ほぼ木理に直角方向で切削し、しかも繊維の分断により成形変化が少ない
・厚さ方向のバラツキは生じにくく、しかも幅方向のバラツキは発生する可能性はあるが、水平フィンガーより垂直フィンガーのほうが歩留りがいい。

水平、垂直フィンガーの選定にあたっては加工する材料や形状、デザインなど総合的な判断によって決定すべきであろうが、フィンガージョイントのメリットとしては次のような点があげられている。
(1)短尺材を利用しながら良質の長尺材が得られる
(2)必要な部材に相当する正確な長さが得られる
(3)ねじれ、曲りなどを矯正した材が得られる
(4)他の縦継ぎ工法に比べ生産性が良く歩留まりが良い
(5)木材の質や美観を高める

089 [ ] 横はぎ機

横はぎ機 【英】 revolving-woodbloch laminater lumber laminater,glue laminater,composer

 

■慣用語・別称
板はぎ機 横はぎプレス 回転プレス 回転板はぎ機

■機械の構造
フィンガージョイントした集成材、長さ方向に小割りされた角材、幅のせまい棒、板状の木材を「芋矧ぎ」する機械。積層する面に接着剤を塗布し、幅又は厚さ方向に圧力を加え一枚の板、あるいは角材にする。 回転する複数のベッド(テーブル)に、接着を塗布した小幅材(角材)をならべ積層し油圧シリンダーにより圧力を加え、同時に上部機構によって木材の反発、飛び出し、弓状になることをおさえながら、プレスする。接着剤の硬化時間をコントロールすることによって、ベッドを順次回転させながら連続的に加工作業が出来る。  

■概要
天然木材の死節、割れ、クサレなどの欠点を除いて積層することによって、割れ、歪み、狂いのない大径の木材を作ることも可能とした。積層・集成された木材は、ムク材の1.5倍の強度をもつ。 階段部材、テーブルトップ、カウンター、家具の扉、引き出し前板、敷居、鴨居、長押などをはじめ家具、建具部材等の製造に適していることから集成材、建材、建具、家具メーカー等の工場で使用されている。家具、建具工場では直接製造をラインにかかわる機械でないため地味な存在だが、集成材工場では中枢の設備となっている。

090 [ ] 高周波接着機

高周波接着機 【英】 high frequency wood joining machine

 

■慣用語・別称
高周波板はぎ機 高周波横はぎ機 高周波横はぎプレス 高周波板はぎプレス

■機械の構造
高周波と呼ばれているものは、一般に周波数が10KHz~100MKHzの範囲の交流であり、我々が日常電灯やモニターなどに使用する交流は50Hz~60Hz、したがってかなり高い周波数ということになる。高い周波数になると、高周波電流が伝導体はもちろん、電気絶縁体(誘電体)及び空中にも流れ易くなる。木材、プラスチック、ゴムなどは電気絶縁体であり、無線通信、テレビ、ラジオなどは空中にも流れる電波ということになる、この中で木材の接着乾燥に採用する周波数は1MHz~40MHzの範囲であり、周波数が高い程自己発熱効率が大きくなる。この高周波を利用し、大きく、平らな高周波電極板内に誘電体(木材)を介在すると誘電体の分子の多くは、その両端正負等量の電荷を持った双極子で形成しており、また、まちまちの方向を向いているものを回転させ、摩擦を生じて損失し、温度を上昇させる。こうした加熱方法によって接着するのが高周波接着である。 

■概要
高周波を利用して、発熱作用と機械による加圧力をもって接着面に塗布された接着剤を硬化させるので
①均一加工ができ厚さなども考慮する必要がない
②温度上昇が速やかで任意に制御もできる
③熱によって焦げ付くことがない
④表面を傷つけずに加熱できる
⑤殺虫・殺菌ができるなど。
機種としては集成材用プレス、四方同時枠外接着機、木枠・板はぎ瞬間接着機、枠接着機、エンドレス接着機などがある。なお、高周波を利用した木工機械としては木材乾燥機などもよく知られている。

091 [ ] レーザー加工機

レーザー加工機 【英】 laser beam woodworking machine

 

■慣用語・別称
レーザーマシン レーザー彫刻機

■機械の構造
同一テーブル(オシレーションテーブル)上にワークとパターンをある一定の間隔でセットする。ワークとパターンの上にはそれぞれ加工ヘッドとセンサーが共に表面に焦点を結ぶように調整される。センサーはパターンの白黒で反射光の有無によるON/OFFの信号をレーザー電源のパルスユニットに送り、レーザー発振器からレーザー出力のON/OFFとして、ワークに照射し、彫刻加工する。なお、パターンからの反射光をセンサーがキャッチしてから、レーザービームが発生するまでの応答遅れがあるため、この応答遅れ時間にテーブルが移動する距離だけセンサーを先読みさせる。よって、テーブルの速度に比例して先読み量も調整する必要がある。また、パターンの濃淡に応じてセンサーの感度を調整することにより、白黒のパターンであれば、ほとんど使用できるし、パターンの白黒を反転させ、パターンをネガとして使うことも可能である。 

■概要
工業用として広範囲に使用されている炭酸ガスCO2レーザーで彫刻・切断・切り抜き・穴あけなどの超精密加工が出来る機械を指す。レーザービーム(光線)は、同一波長・単色光で、この光を小さな領域に集中させると、非常に高いエネルギー密度が得られる。 集光レンズの使用により、レーザービームをφ0.1~0.2mmに絞るため、繊細な加工が行なえる。加工材料は木材をはじめ、プラスチック樹脂、皮革、紙、鉄、セラミック、ガラスなど多種類にわたり、非接触加工のため材料固定が容易で騒音や塵埃がない。また、刃物が不要のため、刃物交換や研磨による補正などの煩わしい作業が要らない。 レーザー彫刻には、被加工物の表面にエッチング等で開口部を設けた金属で覆って全面に照射し彫刻する「マスク方式」と、パターンセンサーで読み取って検出して彫刻する「ドット方式」の2通りの方法がある。NC及び光センサーを搭載する加工機械の他、最近ではマシニングヘッド付複合レーザー加工機も登場している。

092 [ ] 組合せ木工機

組合せ木工機 【英】 universal woodworking machine

 

■慣用語・別称
万能木工機 万能機 兼用機

■機械の構造
主として手押しかんな盤、自動一面かんな盤、昇降丸のこ盤及び木工ボール盤などの機能を3つ以上組合わせ、合理的に配備した木工機械の総称で万能木工機と呼び、組合せの機種及び配置は各メーカーにより、それぞれ異なる。 

■概要
回転軸は、手押しかんな、自動かんな、丸のこが1本軸のものから、各軸が個別の単独運転のものまで、また各機能の大きさ、便利さなどによって数機種になる。 加工目的は1台の機械で各種の機能を備えているので、一貫した工程の多種少量生産にも適するため、中小工場、建具、建築・工務店、木材店、加工場または建築現場の造作用としても広く活用される。  

093 [ ] だぼ打機

だぼ打機 【英】 dowel driving machine

 

■慣用語・別称
だぼ打 だぼ継ぎ機

■機械の構造
だぼ打機は、一般に接合すべき一方の穴とこの穴にそう入すべきだぼの部分にまず接着剤をつけて、だぼを入れ、他方の部材の穴に接着剤を塗布、そう入という順序で作業されるものが多い。これだけの作業を行うため穴への、のり付け用の圧搾空気を利用したピストル型ののり付け機やのり付けと同時に同時にだぼの打ち込みを行う、だぼそう入機、接合すべき部材を自動連続工程で行うための自動だぼ打込み機などのシステムで構成されたものが多い。 

■概要
家具の量産工程を中心にだぼによる部材接合が多いが、これは、工作精度が高い、ボーリングマシンなど前後の工程も機械化されており、作業能率が良く、生産性が高い。ほぞやくぎ打ちなど、他の接合方法に比べ、強度はそう変わらない。パーティクルボードや小断面積の接合にはより強度を発揮する。ダボの本数などでケースバイケースによる接合強度の調整ができる。  

094 [ ] 縁貼機

縁貼機 【英】 edge banding machine

 

■慣用語・別称
エッジバンダー 縁貼り

■機械の構造
工作物(収納家具のフラッシュ部材、システムキッチン、住宅パネル部品)の「縁部」に縁材を熱圧着したのち、工作物の寸法にあわせて正確に裁断(エンドカット)、そして厚さにあわせて縁材のはみだし部分を切削(トリミング)するまでを基本構造とする。工作物の加工精度を高めるため前加工としてテノーナー、後加工としてサンダー、モルダーをセットしたコンビネーションマシンとすることもあり、今後この傾向を強めるものとみられる。 使用する接着剤によって(1)ホットメルトタイプ、(2)酢ビタイプ、(3)尿素タイプに分かれ、日本の木工場で稼動中の60%あまりはホットメルトタイプで、残りは酢ビタイプ。尿素系の接着剤を使用するタイプは、端水・耐熱を要求される特殊分野となり、各タイプとも片面貼りと両面貼りがあり、縁材もムクの木材、ツキ板、プラスチック系材料(ダップ樹脂、メラミン樹脂、フエノール樹脂、塩ビシートなど)で種類も多い。

■概要
(1)縁部だけに“ムク材”を使用するのみで高級木製品の質感をだすことができコストダウンにつながる。
(2)縁部のデザインが自由にできる。
(3)ライン加工のなかで縁部の複雑な加工ができる。
家具、建具、システムキッチン、住宅部品・部材等の工場で中枢的な設備となっている。縁材の硬、軟、縁材をどこまで巻き込むかによって、ポスト、ソフトフォーミングマシンと称される縁貼り機もある。

095 [ ] プロフィルラッピングマシン

プロフィルラッピングマシン 【英】 profile jacketting(wrapping) machine

 

■慣用語・別称
プロフィルラミネーター ラッピング ラミネーター

■機械の構造
工作物(木材、プラスチック、アルミ、パーティクルボード、MDFなど)に被覆シートで“包み込む”ことを目的とする機械で、自動送材された加工材料を余熱(接着材の硬化速度を遅くするため)し、これに接着剤を塗布した被覆シートを加工物の形状に従ってローラーで圧着して包み込むように加圧する。 ・接着剤によって(1)ホットメルト、(2)酢ビ、(3)容剤タイプ(ポリアミド系接着剤)の3種類に分かれ、おおむねツキ板には酢ビ、ホットメルト、塩ビシート、低圧メラミン紙等には容剤タイプを使用する。被覆材はツキ板、ポリエステル、塩ビ、プリント紙、ダップシート、フェノールシート、メラミンシートなどがあるが、加工の性質上“なじみやすい性状”のものであることが要求される。  

■概要
(1) 低質材を高級材に変えることができること
(2)デザイン面においても均一の材料を作れること
アルミサッシメーカーの室内建具分野への進出時における木目模様、スチール家具の冷たさ解消方法、プラスチック業界の木目模様、建材業界での木目模様の手法として採用され、今後注目される設備の1つである。  

096 [ ] エッジフォーミングマシン

エッジフォーミングマシン 【英】 edge forming machine

 

■慣用語・別称
エッジフォーマー

■機械の構造
エッジフォーマーは、カッターを用いて、パネルの側面に貼った木材、合板、プラスチック材などの余分なエッジ突出部分の平面及び曲面仕上げを行う機械。したがって、刃物とこれを動かすための原動機、送材のためのテーブル、上・下刃はそれぞれ調整用のハンドル、ならい調整用のスプリングなどで構成されている。 

■概要
・上下両面同時にスピーディーにしかもきれいに仕上げを行う
・カッターはつねにパネルの厚さを正確に保って動き、パネルの微妙なわん曲にもならい加工を継続する
・突出したエッジに少々傾斜があっても表面を完全に平面に仕上げられる
・作業テーブルは必要に応じて長手ローラーを移動でき、材料の送りをかねて加工材表裏の損傷を完全に防げる
・特に作業工程は流れシステムに合致し、スピーディな優れた機能で生産性の向上には欠かせない
・削り出されるチップやダストは上下ホッパーによって除去できる
・接触ローラーの上下調整は1目盛0.02mmまで読みとることができる
・家具や内装材の仕上げばかりでなく、化粧集成材の糸面取り、面加工にも使用されている。  

097 [ ] 接着剤塗布機

接着剤塗布機 【英】 glue spreader

 

■慣用語・別称
糊付機 グルースプレッダ

■機械の構造
一般的な機械では、上、下平行な2本のメインロール、接着剤をせき止めるドクターロールからなり、加工材の片面、両面いずれでも選択して塗布できるようにしてある。ドクターロールの変わりにバーを用いるものもあるが、塗布量はドクターロール、又は、このバーの遠近によって調節するため、調節ハンドルがあり、本体はロールの両端を支えたボディを含め門型のものが多い。 

■概要
プレス接着の一工程を担う作業を行なうものであり、鏡面材同士の接着には片面塗布、合板同士、木口同士も片面塗布、合板と化粧板の場合も片面塗布でOK。フラッシュ構造の家具や住宅部材の場合で両面表面材使用の場合はプリントであろうが、突板であろうが枠の両面に塗布しなければならない。 建材工場から、家具・建具、住宅部材工場まで多方面に用いられている。  

098 [ ] コールドプレス

コーールドプレス 【英】 cold press for woodworking

 

■慣用語・別称
フラッシュプレス 締め台 動力プレス

■機械の構造
シリンダ、移動する定盤及び油圧装置などからなり、多数の平板を常温で接着圧締する木工プレス機で、定盤をネジまたは歯車で駆動するタイプもある。機械の大きさは、定盤の大きさ、定盤間の最大開き及び総加圧力で表わす。 

■概要
プレスの圧締方法には、ネジ締めによるもの、油圧によるもののほか、圧さく空気でふくらませる袋を利用して加工するものなどがあり、加工材を加圧接着する場合の常温接着向けに用いられる。木工用プレスは合板用プレスと比べ、一般に圧締力が低いが、接着時に必要充分な圧締力を被接着面全面にむらなく与える機構でなければならない。

・ ネジプレス〈Screw Press  慣用語 ・別称 スクリュープレス、フラッシュプレス〉
 ネジの回転を、雄ネジ昇降に変え、雄ネジの下端にテーブルを取り付けて、これを下圧する形式のもので、ネジの回転を手動で行うハンド式タイプと、電動機の回転を傘歯車を介して行う自動式タイプとがある。普通、ネジプレスは平板プレスのものが多いが、中には2、3、4の多形列に分割されている定盤のものもあり、1つの機わくの内容に数組のテーブルを備え、それぞれ別個の働きをさせる機構により、多品種少量生産の工場に適するプレスの1つ。この他、フラッシュ構造のドアやパネル生産向けの専用プレスをフラッシュプレス(flush press)と呼ぶものもあり、機構はネジプレスと同様で、フラッシュパネルを常温で圧締し接着加工を行うネジ式のタイプのものこの電動式が主として使用される。

・油圧プレス〈(英) Hydraulic Press〉
油圧ポンプを用いてシリンダの働きでラムを昇降させるプレスで、油圧により、強力で安定した圧力をかけることができる。機械の能力は定盤寸法、総圧力、ラムの径及び数などで決まる。

099 [ ] ホットプレス

ホットプレス 【英】 hot press for woodworking

 

■慣用語・別称
ホットプレス

■機械の構造
蒸気または電気などによる加熱装置を備えた定盤により加熱圧締する木工プレス機で、合板用として多段式のタイプもある。機械の大きさは、定盤により加熱圧締する木工プレス機で、合板用として多段式のタイプもある。機械の大きさは、定盤の大きさ、熱板の数、定盤間の最大開き及び総加圧力で表わす。 

■概要
コールドプレスの両定盤間に加熱板を多数挿入し、加工物の上下両面より熱を与えて接着材の硬化を促進しようとするもので、主として薄板の貼付接着に用いられる。加熱板の板数により一段、二段プレスなどと呼ばれる。家具工場では普通三~四段プレスまでが主流として用いられる。 加熱接着装置は、方法として蒸気、直火、電熱、蒸気、熱砂などを用いるが、中には高周波誘電加熱や低電圧変電流加熱によって行うタイプのもある。木工用プレスは、この他特殊プレスとしてドアやテーブル・イスなどの曲木の製作に使用するアーチプレス(arch press)や、襖表張りの襖張りプレス(press for lining surfaces of furnishing)などの機種もある。  

100 [ ] 成型プレス

成形プレス 【英】 casing press,banding press,moulding press

 

■慣用語・別称
曲面接着プレス 曲面成形プレス 油圧成形プレス

■機械の構造
種々の方向に作動する数本の油圧及び真空方式によるシリンダで、加工材を型の曲面に圧締して成形する木工プレス機。機械の大きさは、シリンダーの数及び各シリンダの圧締力で表わす。 

■概要
金型または木型を用いて、単板やベニヤなどの板材を積層成形接着する機構。同種のプレスには、常温で行なうものと、高周波誘導加熱や低電圧変電流を通して加熱し、熱間で加熱成形接着を行うものもある。
・ 真空成形プレス 〔(英) vacuum forming press  慣用語 ・ 別称 曲面真空プレス〕
特殊ヒーターにて急速に加熱されたものが盤上の凹凸の金型または木型の上昇によって接触されると同時にバキュームポンプで引張ることにより成形される機構をもつプレス機で、従来不可能であった曲面部に天然木のつき板などを数秒にて接着する目的で使用される。平面張り及び凹凸面・曲面の成型接着が簡単にできる上、プラスチックのPP板、塩ビシート、ダップ樹脂材などにも適するように設計されている。