001 |
木工機械
製材機械や合板機械と並ぶ木材加工機械の一種で、木製家具や建具などの木製部材を加工するための機械。刃物が金属切削工作機械に比べて高速で回転するので、ともすれば切削時に発熱、発煙し、振動や騒音が多く、切り粉は飛び散りやすい。このため、高速回転部分の動的バランス調整、軸受部の防塵(ぼうじん)、防振や危険防止の対策が講じられている。
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002 |
[ 製材機械 ] リングバーカ
【英】 ring barker
■慣用語・別称
バーカー
■機械の構造
バーキングアーム、フィード、ローター、抑えローラー、エアーシールなどからなる。 動力送りされる工作物の樹皮を、回転するリングに取付けた数個の刃物によって 取除く機械。
■概要
一次加工時の刃物の損傷、木取り、残材の有効利用などの面から剥皮は通常一次加工の前に行われる。 リングバーカを用いるのが普通だが、回転する工具を工作物の外側に押付け、工作物を回して樹皮を除く機械としてヘッドバーカ、 チェーン又はチェーンカッタを走行させて工作物の外側に押付け、工作物を回して樹皮を取除くチェーンバーカ、ジェット水流 により工作物の樹皮を取除くジェットバーカ(水圧バーカ)等がある。
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003 |
[ 製材機械 ] テーブル帯のこ盤
【英】 table band saw
■慣用語・別称
テーブルバンド
■機械の構造
工作物をテーブル上で手動送りし、主として縦びきする。帯のこを回転させるために、二つののこ車の一方をVベルト又は 平ベルトを用いて電動機、エンジンなどで駆動する。駆動するのこ車は、縦形帯のこ盤では一般的に下部のこ車が該当する。 帯のこの横方向の振れれを抑止するためにせり装置が付いている。
■概要
せり装置は帯のこの横振れを防止するものであり、横触れ防止に最も効果的な位置に固定されなければならない。 このため、使用する帯のこの幅が変わればせり装置の位置も変えて固定する。また、帯のこに常に適正な緊張力を 保持させておかなければ挽曲がり、のこ割れ、のこの破断等の原因とおなる。分銅等で適正な緊張力を保つようにする。
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004 |
[ 製材機械 ] 送材車付き帯のこ盤
【英】 band saw machine with carriage
■慣用語・別称
全自動帯のこ盤 ワンマンバンド
■機械の構造
送材車を動力または手動によって送り、送材車上の工作物を主として縦びきする帯のこ盤。テーブルを取付け、テーブル帯のこ盤として兼用できるものもある。本機と送材装置に分けられ、本機は機体、のこ車、 上部のこ車昇降ならびに緊張、せり装置などで構成されている。送材装置は自動送材車式、自動ローラ式、キャタピラ式 チェーン駆動式などに大別される。自動送材車の駆動法としては、回転ドラム式とチェーンを介して直接車輪を駆動する方式とがある。
■概要
機能的にはテーブル帯のこ盤とほとんど差はない。送材車上の加工材を歩出し装置でひき材寸法を決め、切断される。 送材車に装置されている数本のヘッドブロックは、加工材を保持し、歩出し装置によって繰り出しを行う。 歩出し量は取付けたものさしによってヘッドブロックの移動量を見る方法等がとられる。
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005 |
[ 製材機械 ] ツイン帯のこ盤
【英】 twin bandsaw machine
■慣用語・別称
ツインバンド
■機械の構造
機体はベッドとフレームが一体のものと、別になっているものとがある。フレームには上部のこ車、せり装置、帯のこ緊張装置などが付いている。上部のこ車サポーターはガイド面が筒形とアリ形とがあるが、前後二つのガイド、せりガイドは正確に垂直に仕上げられ、のこ車とせりはスムーズに昇降するよう作られている。
■概要
帯のこ盤は原木の製材作業に多く使用され、製材用帯のこ盤の直径が1,000mm以上のものをいう。上下ののこ車は同径、同形とし、下部のこ車を重くしてはずみ車で回転を円滑にしているものもある。 ツイン帯のこ盤は左右勝手違いの二つの帯のこ盤をそれぞれ工作物の送り方向に直角に移動するように向かい合せに設置し、動力送りされる工作物を同時に二箇所縦びきにすることのできる帯のこ盤で、大割り、小割りに使用される。
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006 |
[ 製材機械 ] テーブル丸のこ盤
【英】 circular saw bench
■慣用語・別称
腹押し丸のこ盤
■機械の構造
テーブル、定規などを備え、工作物をテーブル上で手動によって送り、主として縦びきする丸のこ盤。一般にのこ軸、フランジ、せり装置、定規、駆動・制動送り装置から構成され、送りが手動式、自動式によって構造が簡単なものから複雑なものまで多種である。安全装置として割刃、反発予防装置が取付けられる。
■概要
鋳鉄製または木製の木わくにのこ軸を取付け、テーブル上の定規をつけたものが一般的だったが、最近は大割り作業を丸のこ盤によって行なうことが少なくなった。小割り、耳すり、幅決めなどには木工用のリップソー、ギャングリッパなどを用いることが多い。
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007 |
[ 製材機械 ] ツイン丸のこ盤
【英】 scragg mill
■慣用語・別称
双子丸のこ盤 ダブルスラッパ
■機械の構造
1本又は2本の主軸に2枚の丸のこを取り付け、工作物の両側を同時に縦びきするのこ盤、通常の丸のこ盤ののこ数が2枚になったものと考えてよい。
■概要
近年、間伐材の有効利用が取り沙汰されており、小径木製材用としてツイン丸のこの活躍する場も増えている。小径木の耳すり、またはログハウス用の材料を左右同時に切断する丸のこ盤にして利用度の高いものとなっている。
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008 |
[ 合板機械|単板製造機 ] ベニヤレース
【英】 veneer lathe,rotary peeling machine
■慣用語・別称
ロータリーレース
■機械の構造
単板を製造する機械で、主軸に固定した原木を回転し、刃物を自動送りして切削、所定の厚さの単板を連続して作る。単板の両端には「割れ」を防止するため接着紙テープを貼りつける。
■概要
合板(plywood)の基礎となる単板(veneer)を作る機械で、玉切りされた原木をベニアレースの主軸に対して、いかに効率的にセットするかが歩留りと大きく結びついてくる。原木をベニアレースに送るまでの過程に、単板の歩留りを高める機械として原木整形機(バークリップ・バーキングシェイパ)やレースチャージャ(log charger,lathe charger)などがある。又、通常化粧単板を切削するために使用されるハーフラウンドベニヤレース(harf-round veneer lathe ハーフロータリー)もある。
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009 |
[ 合板機械|単板製造機 ] スライサ
【英】 veneer slicer
■慣用語・別称
スライサー
■機械の構造
単板を製造する機械で、ベニアレースが原木を連続あるいは断続的に切削してゆくのに対してスライサはフリッチ(大角材)を切削する。刃物あるいはフリッチを往復運動させて所定の厚さに切削切削して単板を製造する。摺動盤あるいはフリッチの動く方向にによって縦型と横型に分かれ、機械の大きさは、刃物取付面の長さ、あるいは切削することができるフリッチの最大厚さであらわす。
■概要
合板機械としてのスライサのほかに、集成材などの化粧用単板を作る「縦突きスライサ」がある。合板機械のスライサも合板の基板に使用する単板を作るついうケースは少なく、むしろ化粧合板の表面化粧に用いる高級銘木のツキ板単板製造に使用する方が多くなっている。使用分野としては、天然木化粧合板メーカー、ツキ板製造業者などで、高級銘木を大量に消費する分野。
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010 |
[ 合板機械|単板搬送装置 ] 単板巻き取り巻き戻し装置
【英】 veneer reeling and unreeling machine
■慣用語・別称
リーリングアンリーリング 巻取り巻き戻し アンリールデッキ
■機械の構造
単板搬送装置に分類される。ベニアレースで切削された単板を、自動的にリールに巻取り、さらにこの単板を自動的に巻き戻して次の単板乾燥の工程に供給する一連の装置。
■概要
合板工場の近代化、省力化の設備として登場したもので、多段式のホットプレス、ドライヤとならんで近代的な量産合板工場を象徴する設備となっている。
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011 |
[ 合板機械|単板乾燥機 ] ローラ乾燥機
ローラ乾燥機 【英】 roller dryer
■慣用語・別称
ローラドライヤー 乾燥機 ドライヤー 連続式ドライヤー
■機械の構造
単板を2連のロールの間にはさんで連続的に送り、それに熱風をあて均等に乾燥する機械設備。熱風は主として単板の送り方向と平行または直角方向に強制循環させ、さらに乾燥能力をあげるためにジェットボックスを備えることが多い。設備の能力・大きさは、ロールの長さ、段数および加熱セッションの数で示す。
■概要
この単板の乾燥が、製品としての合板の良し悪しを決定する。合板工場を象徴する煙突は、この乾燥設備に熱風を送るための熱風を得るためのもの。
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012 |
[ 合板機械|単板乾燥機 ] 単板乾燥機アンローダ
単板乾燥機アンローダ 【英】 unloader for veneer dryer
■慣用語・別称
ドライヤーアンローダ
■機械の構造
単板乾燥設備から出てくる単板を自動的に取り出す機械で、乾燥機の棚、幅、段数に連動する構造となっている。
■概要
常に単板乾燥と一体化して設備され、合板工場の省力化、近代化設備として開発されたもの。同機に対応する設備として単板乾燥機に単板を自動送入する設備で単板乾燥機用フィーダ(英 automatic feeder for veneer dryer)がある。この機械はほとんど乾燥機とセット化して設備される。
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013 |
[ 合板機械|単板乾燥機 ] ベニヤスタッカ
ベニヤスタッカ 【英】 veneer stacker
■慣用語・別称
サクションスタッカ
■機械の構造
用途別(表裏板、芯材)に選別された単板を所定の場所に積み込む機械。単板の大きさ及び選別数で機械の大きさを表す。
■概要
合板工場の近代化、省力化設備の一環として開発された設備で、クリッパ、ベニアコンポーザーなどにセット化して設置される。
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014 |
[ 合板機械|単板調板機械 ] テンダライザ
テンダライザ 【英】 tenderizer
■慣用語・別称
■機械の構造
単板の繊維方向と平行に割れ目(キズ)を入れる機械。自動送りされる単板を、多数の突起がついたローラーの間を単板を通すことによって、カールをなくし平板の単板とすることができる。
■概要
ベニアレースで切削されたばかりの単板は、まだ原木に沿ったカール状となっているため、これにキズをつけることによって平板とすることが可能となり、 同時に接着の際の接着剤の含浸効果を高めることにつながる。独立して使用されることはほとんどなくクリッパとセット化されて配置されている。 通常、ベニアレースの次の工程に配置されているが、テンダライザを通すのは芯材(コア)のみ。鋸歯状のつめをもった回転体による外側駆動方式のベニヤレース では、単板切削時に単板にキズをつけるため、自動的にテンダライジングが行われることになる。
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015 |
[ 合板機械|単板調板機械 ] クリッパ
クリッパ 【英】 veneer clipper
■慣用語・別称
単板切断機
■機械の構造
ベニアレースによって切削された単板を刃物の上下運動によって定められた寸法あるいは有寸(定尺に満たない最大有効寸法)に切断する機械。テーブルの上を自動送材されてくる単板をセンサーによって探知して合板の規格にもとづいて切断する。単板の繊維にキズをつけて平板するテンダライザーと一体化してライン化される。
■概要
合板製造の中枢である調板機械に分類される。所定の厚さに切削された単板のカール状態を除くためのテンダライザを通して繊維にキズをつけて平板にし、このクリッパで所定の寸法(正確な3×6尺、4×8尺の寸法ではない)に裁断する。このほか単板を所定の寸法に裁断する機械としてロータリークリッパ(英 rotary clipper)があり、回転する水平な円筒に取り付けられた刃物により、単板を一定の寸法に切断する機械。刃物取付面の長さ、裁断幅で機械の大きさをあらわす。
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016 |
[ 合板機械|単板調板機械 ] ベニヤコンポーザ
ベニアコンポーザ 【英】 veneer composer
■慣用語・別称
ストリングマシン コアビルダー
■機械の構造
乾燥した単板を所定の寸法に調板する機械で、単板の繊維方向と直角に単板を連続的に挿入し、まず不良部分を切断したのち接合面の全長あるいは点接着するほか、繊維と直角方向の全長にわたって糸状接着剤で接合する。そして両端には“割れ”を防止するためガムテープで固定する。接着剤はホットメルトを使用、表裏板と中板用がある。
■概要
単板を合板とする工程の最終段階で、大径木、良質材が減少して歩留まりを高めることが課題となっている合板業界にとって、同機の重要性は高まっており、調板機械の中でも中枢的な位置を占めるようになっている。 このほかの単板の接合・調板設備として
・ベニヤスプライサ (英) lapeless veneer splicer
2枚の単板接合面に接着剤を塗布し、繊維方向に自動戻りして加圧接着する機械。
・ベニヤエッジグルア (英)veneer edge gluer cross feed splicer
単板の繊維方向と直角に単板を測連続的に挿入し、接合面の全長にわたって同時に加圧接着する機械
・ベニヤテーピングマシン (英)veneer taping machine
2枚の単板の接合面を突き合わせて、テープによって連続的に接合する。ホットメルト接着剤の採用によって、同期を使用している合板工場はほとんどなくなった。
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017 |
[ 合板機械|単板接着機械 ] グルースプレッダ
グルースプレッダ 【英】 glue spreader
■慣用語・別称
スプレッダ 糊付機
■機械の構造
自動送りされる単板を回転するローラとの間を通すことによって一定量の接着剤を塗布する機械。接着剤の塗布量の調整は塗布ローラとドクタローラの間隔を調整して行なう。
■概要
ベニヤコンポーザ等の設備で調板された単板は表板用、裏板用、芯材用に分類(仕組み工程)され、これを奇数枚単板で接着して、いよいよ合板となる過程に入る。 通常、芯材をグルースプレッタを通して両面に接着剤を塗布し、これを表板と裏板でサンドイッチするようにして積層してゆく。 合板の接着剤としては、木材用接着剤としての必要条件を満足させるほか、大量入手が可能であること、廉価であること。水溶性で鉄・ゴムなどを腐食・老化させることがなく洗浄性が良いこと、粘度調整が容易であることなどの条件が要求される。合板工場で使用されている接着剤は、ユリア樹脂系、メラミン・ユリア共縮合樹脂系、フェノール樹脂系の3種類が主。 仕組工程の設備として表材と裏板を選別しセットアップする機械としてベニヤセッターが開発されて導入しはじめている。
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018 |
[ 合板機械|合板接着機械 ] ホットプレス
ホットプレス 【英】 hot press,hot plate press
■慣用語・別称
■機械の構造
機械の構造 合板・板材などを熱板間に差し入れ、可動定盤を液圧などにより作動させて加熱圧縮する設備で、多段式の構造となっている。能力の表示は、熱板の大きさ、熱板の間隔、段数、総圧締圧力などで行ない、合板のそう入方向によって縦型(エンドローディング)と横型(サイドローディング)があり、段数も通常40~50段のものが一般的。
■概要
表材、芯材、裏板と接着された合板は、コールドプレス(木工機械・「木工プレス」の項参照)によって仮接着させ、ホットプレスへそう入するまで状態を維持させ、熱圧によって完全硬化させる。 熱源としては蒸気を用い、加熱温度は接着剤の性質によって異なるが、ユリア樹脂で110~115℃、メラミン・ユリア共縮合樹脂では115~120℃、フェノール樹脂で135~140℃が採用されている。高温による加熱接着は木材の強度をぜい弱にすることから、150℃以上での加熱はさけるべきである。加熱時間も接着剤の性質、合板の厚さによって異なってくるが、ユリア樹脂の場合で厚さ1mmあたり20~30秒が普通。 加熱温度、加熱時間に加圧力を加えて、ホットプレスの圧締3要素といわれる。 ホットプレスとセット化される機械として
・ローダアンローダ (英)〔autmatic loader and unloader〕
多段式ホットプレスの段数に応じた棚をもち、コールドプレスで仮接着された合板を自動的に挿入、取り出す装置。通常、合板を供給、脱荷するオートフィーダが装備されている。
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019 |
[ 合板機械|合板工具研削盤 ] ベニヤナイフ研削盤
ベニアナイフ研削盤 【英】 veneer knife grinder
■慣用語・別称
ナイフグラインダ
■機械の構造
刃物取付台に刃物(ナイフ)を固定し、刃先の全長にわたって回転する砥石を往復運動させて研削する機械。
■概要
良質材の減少と歩留まりを高める必要性から切削刃物の”キレ味”は非常に重要となり、合板工場において同機の存在は不可欠の ものといえる。合板工場におけるナイフは、ベニアレースを筆頭にスライサ・クリッパ・コンポーザとあらゆる分野で使用されている。
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020 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] 木工用NC多機能ロボット
木工用NC多機能複合ロボット 【英】 numerical control compound robot
■慣用語・別称
木工用マシニングセンタ 複合CNCルータ CNC複合マシン
■機械の構造
NCコントロールによって移動するテーブル、門型にツールチェンジのためのガイドレールを持ち、4軸から5軸の各種加工ヘッド、加工ヘッドを自在にコントロールする操作盤と数値制御装置から構成される。 ツールチェンジのため、自動的にヘッドを把む、ロボット敵の構造のハンドを持っており、多いものでは、効果用ヘッドとして、丸鋸、鉋、ボーリング(多軸、単軸、水平両頭など)、角のみ、サンディングなど20種類以上用意している機種もある。
■概要
1台の多機能複合ロボットによって、ルータ、穴アケ、ダボ穴、Vカット、角ノミ、鉋、丸鋸切断等と木材加工の基本作業、「切る」「穴アケ」「削る」のすべてができる万能機能で、しかも数値制御であるため、 位置決め作業も不要という万能機。多品種少量生産に対応するために開発された機械とされているが、ワークの投入、取り出しなどの工程を自動化すれば、無人運転も可能となり、人手不足、技能低下の木材加工工程においては大きな戦力となる。 また、ダブルエンドテノーナとガントリーNCルータを複合化し、チェンキャタピラによって機材を送材中にワークの側面(4面)の切断やほぞ加工を施すと同時に、その途中でルータによる彫刻。 切抜き・面取りなど加飾加工や、組み立てに必要な組子や 加工が1台でできる複合ロボットも開発されている。
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021 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] NC複合マシン
NC複合マシン 【英】 numerical control compound robot
■慣用語・別称
波乗りCNC複合マシン NCスイングルータ
■機械の構造
NCルータの複合機。X,Y,Z,軸を刃物とテーブルの移動に置き換え、2軸、3軸を同時にコントロールし、2次元、3次元の加工を行うとともに、さらに軸数を4軸、5軸と増やし自由曲面ルータ加工を行うなど複雑な動きをするNCルータ。
■概要
主軸ルータに組み入れられた刃物によってニューデザインの造形をNCコントロールによって自動生産できる。さらに360度以上旋回し、昇降する横かんな軸や45度まで傾斜できるルータ軸を持つ複合マシンもあり、曲面切断もクリアな仕上がりを可能にしている。
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022 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] ツインテーブルNCルータ
ツインテーブルNCルータ 【英】 numerical control router
■慣用語・別称
NCルータ ツーテーブルNCルータ
■機械の構造
NCルータにテーブルを2つ設けたもの。2つのテーブルは、M機能指令によって、同時制御、または別々にも制御できる。
■概要
2つのテーブルを別々に制御することができ、ルータ加工と材料着脱作業がそれぞれのテーブル上で同一時点でできるため、ルータ加工をスタートさせると材料着脱作業ごとにマシンを停止させることなく、ノンストップの連続稼動することが特長となっている。
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023 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] NCロータリープロフィルサンダ
NCロータリープロフィルサンダ 【英】 NC rotary profile sander
■慣用語・別称
NCサンダ
■機械の構造
円筒座標による円弧軌跡制御方式のNC装置とカッターユニット、サンディングユニットと回転テーブル、加工材を正確に地位決めするための昇降式定規、固定するためのエアーシリンダクランプで構成され、サンディングユニットは加工材に対し、直角に位置し、自動的に制御されるため、直線研磨はもちろん、コーナーアールの曲面の形状など寸法通り、高精度の研磨ができる。
■概要
プログラムされた基本データは、フロッピーディスクに記憶され、データーの結果はCRTに表示され、対話式の簡単な操作でセットや修正ができ、倣いモデルもまったく不要。制御方式は、カッターユニット(変角、前進後退操作)+テーブル回転(速度)3軸同時制後、サンダユニット(変角、前進後退動作)2ユニット+テーブル回転(速度)5軸同時制御、カッターユニット+サンダユニット2ユニット+テーブル回転の場合は7軸制御。組み合わせは自由に選択でき、テーブル回転制御は加工に対す周速が一定になるよう速度制御されている。
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024 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] モウルディングセンタ
モウルディングセンタ 【英】 moulding center
■慣用語・別称
■機械の構造
コンピュータと1軸から7軸までの加工軸、サンディングユニット、駆動式押えローラ、位置決めサーボモータなどで構成され、1軸は高さのテーブル上面に対する自動調節(ALC)、端だれ防止のためのサンディングパットの自動上下運動、第7軸の自動工具交換装置(ATC)には8つのツールポットを装備し、30秒で刃物の交換を行い、加工製品が変わるたびに著しく、時間のかかる段取り替え作業を正確に瞬時に自動的に行うことができる。
■概要
コンピュータの表示データに基づき、加工条件を入力すれば、機械の調節及び運動部分が生産するものの形式、寸法に適合するように自動調節され、常に最良の条件で、効能率に性格、高精度のモールディング加工とプロフィルザンディングを行う。人手不足、熟練技術の減少に対応するハイレベルなメカトロマシン。
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025 |
[ 木工機械|NC・マイコン複合機 ] NC自動プログラム作成システム
NC自動プログラム作成システム 【英】 NC automatic program system
■慣用語・別称
NC自動プログラミングシステム 自動プロ CAD/CAMシステム
■システムの構造
コンピュータ、ディスプレイ、キーボード、プリンター、リードパンチャー、プロッターなどから構成され、NCマシンやマイコンマシンを操作するためのデータ処理、NCテープの作成などを行う。
■概要
キーボードとマウスの操作によってCRT画面を見ながら、デザイン設計、NC加工部材の図面設計とNC加工データが作成できる。 完成したCAD図面、NCデータは、資料として登録保管もでき、登録したデータを削除、追加、変更することによって合理的なデザイン開発も可能になる。 また、NCマシンやマイコンマシンなどを光ファイバーで結合することによって、CAD、CAMが一体となって、テープレス運転ができるシステムまで高度化されているソフトもある。
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026 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] 丸のこ盤
丸のこ盤 【英】 circular saw machine
■慣用語・別称
のこ盤 丸のこ盤
■機械の構造
回転する主軸に丸のこを取り付けて高速回転させ、これに加工材を送って主として切断作業を行う機械を総称する。
■木工簡易丸のこ盤 (英)Circular Saw Bench 慣用語・別称=ベンチソー
素朴な構造形式をなし、脚形あるいは箱形(丸胴体でも差支えない)の機体の上部にテーブルを取り付け、テーブル下部に配した主軸に取り付けられた丸のこが、テーブル中央に突き出て、テーブルに取り付けられ左右に動く縦挽き定規に加工材をそわせて送る機構のもので、いわば縦挽き専用盤である。
■昇降丸のこ盤 (英)Circular Saw Bench 慣用語・別称=昇降盤 万能丸のこ盤
一般木工業界に広く使用されている手動汎用機の典型的な機会で、テーブルまたは回転する丸のこ軸を昇降させる装置を備えて、加工材料を手動で送りながら縦挽き・横挽きの各種切断が可能のほか、カッターを用いて溝削りや段欠きなどの加工もできるもの。機械の大きさは使用できる丸のこの最大径及びテーブルの大きさで表す。
■テーブル傾斜丸のこ盤 (英)Circular Saw with Tilting Table 慣用語・別称=傾斜盤
テーブルを昇降及び45度まで傾斜させる装置と回転する丸のこ(チップソーを含む)とを備え、各種加工材料を手動で送りながら横切り縦挽き切断のほか、カッターを使用して溝付き角度切り、その他敷居、窓枠などの建築材加工にも利用できる木工のこ盤で、丸のこ軸の両端に丸のこを付け、別のテーブルを備えたタイプもある。機械の大きさは、丸のこの直径及び150以上500mm以下との適用範囲を定めている。
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027 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] 軸傾斜丸のこ盤
軸傾斜丸のこ盤 【英】 universal circular saw with tilting arbor
■慣用語・別称
軸傾斜横切丸のこ盤 軸傾斜丸のこ盤 軸傾斜万能丸のこ盤
■機械の構造
テーブル上を手押し、送材により被切削材の縦挽き・横挽き・角度挽きなどの切断加工のほか、カッターによる溝付加工などもできる丸のこ盤で、作業範囲は広い。
■概要
回転する丸のこ軸が昇降及び傾斜する装置を内装したボックスタイプの丸のこ盤で、テーブル上には丸のこ保護のため窓板取付の窓を有し、また縦挽き・横挽き・角度挽きの定規などを装備している。なお、安全のため、丸のこ刃の接触防止装置・ブレーキ装置・刃物取替時の軸の固定装置なども装備されている。加工目的は広範囲な作業範囲を有し、木材・新建材、合成樹脂(プラスチック)、軽金属(アルミ)などの切断加工に適し、家具、建具、内装、・造作材、アルミサッシ、プラスチックなどの業種に使用される。
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028 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] テーブル移動丸のこ盤
テーブル移動丸のこ盤 【英】 circular saw with sliding table
■慣用語・別称
テーブル丸のこ盤 横切丸のこ盤 横切盤
■機械の構造
回転する丸のこ軸と移動テーブルとからなり、工作物を移動テーブル上に乗せ、テーブルと共に移動させ、主として横切り作業に用いる丸のこ盤であるが、縦挽き・横挽き・傾斜挽きなどの加工もできる。
■概要
回転する丸のこ軸が昇降・傾斜する(丸のこ軸が昇降・固定テーブルが傾斜のものもある)装置を内装したボックスタイプの丸のこ盤に移動テーブルを装備した丸のこ盤で、固定テーブルに縦挽き・横挽き定規が取り付けられる。 また、移動テーブル上には寸法決めの各種定規・ストッパー・仮押さえ装置などを有する。なお、安全性を高めるために丸のこ刃の接触防止装置・ブレーキ装置、刃物取替時の軸の固定装置なども取り付けられている。 加工目的は極めて広範囲な作業性を有し、木材・新建材・合成樹脂・軽金属などの切断や溝加工に適し、家具・建具・内装材・造作材・ベニヤ・プラスチック・アルミサッシなどの切削加工を目的とする業種に使用される。
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029 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] クロスカットソー
クロスカットソー 【英】 travelling cut-off saw
■慣用語・別称
のこ軸移動横切丸のこ盤
■機械の構造
回転する丸鋸軸(モーター直結)を前後に水平または垂直方向に移動させ、テーブル上の加工材を置き引っ張りながら切断加工し、手を放せば元に戻る構造の手動送り方式と、電動機軸に丸鋸を取り付け、上下動調整ができ、ペダルを踏むことにより、ラムと共に水平に移動し、加工材の幅に応じて移動距離の調整もできる自動送り式のものとがある。機械の大きさは丸鋸の直径で表す。
■概要
長大材の木取り作業において、横切り作業に用いるもので、横に長いテーブルと一緒になって用いられる。テーブル中央後方に固定された機体の上部に配された電動機軸と一体になった主軸が、リンク式またはスイング式などの機構で前後に移動できるもので、木取り用であるため取り付けられる丸鋸の径も非常に大きい。(普通450mm径まで)。前後の動きには、手動式のものと、自動式のものとある。自動式のものは一般に空圧シリンダー形式が用いられ、足踏みペダルによって作動される。切断幅(移動距離)は普通450~500mmの範囲まで可能で、移動速度も任意に調整できる。前後移動機構にはストロークスライド式、スイングリンク式などがあり、いずれも主軸が主軸が水平方向に直線的に動く。切削は他の丸鋸盤と異なり、下向き切削すなわちダウンカット方式で、定規が前方に取り付けられ、切りくずも前方に飛散するので、作業上、安全かつ能率的に木取りが行える。この他、特殊チョークで材料を的確にカットでき、しかも欠点除去切断や定寸切断を連続して行う丸鋸昇降式の光電式ジャンピングクロスカットソー(Optical Jumping Cross Cut-off Saw)などの機種も見られる。
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030 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] ランニングソー
ランニングソー 【英】 running saw
■慣用語・別称
走行丸のこ盤
■機械の構造
水平テーブルの一方に直線状の丸鋸走行スリットが設けられており、動力駆動の丸鋸がここから突出して走行し、走行間に加工材料の切断加工を行なう。丸鋸が走行し切断加工を行なうところから一般にランニングソーと呼称される。
■概要
被加工材料の移送性が良いため、大判材の重ね切断、小割切断などを効率的に行なえ、正確な直線切断、直角切断に対応する。丸鋸及び鋸台ユニットはテーブル下面に架設された高剛性水平レールに案内されて往復的に走行駆動される。丸鋸はジャンピング機構によって、加工時のみテーブル上に突出し、加工が終了するとテーブル面内に没入する。これをドロップリターン方式といい、安全作業と切断加工の効率化を計っている。丸鋸走行スリットの上方には長尺の材料押さえが設けられており、加工中の材料を確実にクランプしている。テーブル面には材料の歩出しを行なうための横送り定規が備えられている。この定規は手動、電動により駆動されるが、電動タイプにおいてはコンピューター制御が導入され、歩出しの高速化、高精度化が計られている。新建材の開発に伴って、鋸台に二枚の丸鋸を連装した毛引切断タイプも出ている。各種材料の一般的な切断用として、家具、建具工場などで使用されている。
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031 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] パネルソー
パネルソー 【英】 panel saw
■慣用語・別称
走行丸のこ盤
■機械の構造
ほぼ垂直状に立てられたテーブルを有し、そのテーブルの中央に縦方向に直線状の丸鋸走行用スリットが設けられている。テーブル方向にはスリットと直角の水平定規が備えられている。動力駆動の丸鋸がスリットから突出して昇降移動し、材料の縦切断加工を行なう。
■概要
立型フレームの特色を利用して工場の壁面側などに有効的に設置することができる。大判材などのラフカット、直線切断、小割切断または切断面を基準として直角切断などに用いられる。各種材料の一般切断用として家具、建具、建築資材工場など広範囲にわたって使用されている。加工操作法としては直線切断を基本としており、鋸台ユニットはテーブル裏面の垂直ガイドレールに案内されて昇降する。丸鋸はジャンピング機構によって加工中のみテーブル面へ突出し、加工を終了するとテーブル面内に没入する。このドロップリターン方式により安全作業切断加工の効率化が計れる。鋸走行用スリットの前面側には材料押さえ板が設けられており、加工時において材料のクランプ作用を行なう。まら、加工材は側方の定規により位置決めされる。
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032 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] ラジアルソー
ラジアルソー 【英】 radial saw
■慣用語・別称
軸自在丸のこ盤
■機械の構造
固定したテーブルの後方に旋回できるアームにつるされた傾斜自由な丸のこ軸を取り付けたもの。テーブル前方部分に定規を取り付けたものも多い。丸のこの軸を持つアームは、下部が水平および垂直方向に90度(回転)以内で、任意な位置に固定して作業できるようになっているので、丸のこあるいはカッターをセットし、あらゆる方向と多機能な加工ができるようになっている。
■概要
ラジアル丸のこ盤は、軸移動丸のこ盤に昇降、旋回などを加えたもので機能は多く、多種多様な加工をすることができる。便利な機械であるだけに、量産を目的とする工場の生産工場で用いられることは少なく、建築現場や学校などで軽作業に使われることが多い。丸のこで横びき、縦びき作業に加え、カッターを用いてのみぞ加工、しゃくりみぞ加工、面取り加工、ルーター加工、ほぞ取加工などの作業が簡単に行える。最近では、現場ごとの別注品を中心としてる建築業界でもアルミ室内建具が普及しはじめたこともあり、アルミラジアルソーが多くなってきている。
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033 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] トリミングソー
トリミングソー 【英】 trimming saw
■慣用語・別称
トリミング
■機械の構造
水平な1本の丸のこ軸に取り付けられた多数の丸のこと、横切りする水平に移動する丸のことからなり、工作物の縦と横の切断加工をする木工のこ盤。丸のこ軸が単独で多数ならびタイプもある。1回の送材で数枚の合板、パーチクルボードを縦引き、横引きして正確な寸法に切断加工する。テーブルに乗せた合板、パーチクルボードは多数の爪で固定されガイドレールに従って移送され、所定の寸法となったところで移送装置はストップして丸のこが回転して切断する。数枚の合板、パーチクボードをE字型に切断することも可能。
■概要
合板、パーチクルボードを大量に使用する住宅部品メーカーなどは必要不可欠の機械で、一回の送材で数種類の必要なサイズに切断されてしまうもので、一枚だけでなく数枚、あるいは重量的に重い大型パーチクボードの切断などに威力を発揮する。 システムキッチンの工場などでは、カウンターにポストフォーミングしたパーチクルボードを使用することが増えてきており、また、収納家具、ビルトイン家具などの分野でもボリューム感をだすためパーチクルボードを使用することが増えてきていることから、正確な寸法に切断するトリミングソーへの要求は高くなっている。
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034 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] V溝成型機
Vみぞ成型機 【英】
■慣用語・別称
Vカットマシン Vカットソー Vカット
■機械の構造
駆動ローラー(ゴム、エボナイト)をフレーム上に配して、送材機構とし、ローラーの片端上に基準定規がある。これに、複数のVカッター用モーター軸(4軸~8軸)が位置決めできる門型コラムがまたがる形の構造となっている。各V溝の位置設定は自動位置決め装置により、自在に変えられる。
■概要
塩ビ化粧合板に数本のV溝加工を施し折り曲げた、化粧造作材として、ドア枠、窓枠、額縁、化粧材、巾木、クローゼットドア等の製造に主力機械として多くの住宅関連企業に採用されている。
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035 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] リッパ
リッパ 【英】 rip saw
■慣用語・別称
リップソー ストレートラインリップソー
■機械の構造
水平丸のこ軸と自動送り用のキャタピラを備え、加工材料を縦挽き加工する木工のこ盤を言い、ロールにより自動送りするタイプもある。高速送り連続作業ができ高能率を発揮するので多く使用されている。機械の大きさは、丸のこの直径及びのこ取付けフランジ面からコラム面までの距離で表す。
■概要
元来リップもしくはリッピングとは、加工材を挽き割るとか、引き裂くとかの意味であり、縦挽き加工作業を行うものはすべてリップ(Ripper)もしくはリップソーと呼ぶべきであるが、一般的にはキャタピラ式自動送り縦挽き丸のこ盤のみを指す。頑丈な箱型の機体にテーブルを固定し、テーブル面2~3mmの高さになるようにチェーン駆動による広幅のキャタピラを機体に内蔵し、送り用電動機によってこれを走行させる。一方、テーブル面上右側にコラムをたて、コラム上端に電動機を取り付け、電動機軸が長く伸びてキャタピラ幅の中央にのこ身が来るようフランジ位置を決める。テーブル上のこ身の右側には定規を置き、左右に移動させて加工幅を決める。キャタピラの走行速度はそのまま加工材の送り速度であり、一般に毎分10~30mの範囲で多段あるいは無断に変速される。またのこ身が停止しているのに加工材が送られると甚だ危険であるため、両者の間には、のこ身の停止と共に送りも止めるような関係になっている。なお、切削方式が上向き切削(アッパ-カット)であるため、のこ軸の前後には加工材の押さえ用ローラーが配され、切削の際の加工材の跳ね返りを防止してスムーズな送りをなし、手前にもつめ(爪)状のキックバック防止装置が取り付けられている。刃物を2枚にしたツインリッパもある。
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036 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] ギャングリッパ
ギャングリッパ 【英】 gang rip saw
■慣用語・別称
ギャングリップソー
■機械の構造
多数の丸のこを取り付けることができる水平丸のこ軸と自動送り用のキャタピラを備え、一度の送材で加工材を縦挽きながら多数の小割り材に挽き出すことができる木工のこ盤。中にはロールにより自動送りするものもある。機械の大きさは丸のこの直径及び丸のこ軸の有効長さで表す。
■概要
一本ののこ軸に多数枚の丸のこを取り付け、広幅の板材を一回の送りで数本の棒材に縦挽き、小割りすることができる高能率な機械。加工寸法はのこ身の間にはまるブッシュの厚さで決まるが、多数の丸のこを取り付けた時は切削抵抗も大きく、それぞれの丸のこの歯形、切れ味などに不揃いがあってはならず、また機械精度もシングルリッパーより一段と高度なタイプでなければならない。材料の縦挽きは250~600mm幅とされ、電動機も強力で、22~75Kwが使用されている。キャタピラチェーンは、丸のこ下部で降下し、丸のこの歯先とのすきまを保持する。この他、テーブルの送り込み側及びロール装置前側には多数の鋼製フィンガーからなる二段構えの材料はね戻り防止装置も備え、挽き材端片が作業者の方へはね戻って来るのを防いでいる。テーブルの後端にはスプリング付テーブルリップを備え、挽き材がキャタピラとの間に詰まらない構造になっている。とくにランバーコアの芯材などの加工に向くが、リッパと同様、調整、手入れを欠かすことはできない。
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037 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] ダブルソー
ダブルソー 【英】 double saw
■慣用語・別称
サイジングマシン トリミングマシン
■機械の構造
平行に相対し、間隔を調整できる2つの丸鋸と手動送り装置とからなり、工作物の両端を同時に切断加工する木工のこ盤。横に長いベッドの左右にコラムを立て、一方を固定、他方を移動コラムとし、両コラムの内側に丸鋸を配し、加工材の両端を一回の送りで説だして寸法を決定する。
■概要
JIS-B-0114には、ダブルソーは手動式として定義づけられているが、自動式のダブルソーもある。手動式のダブルソーは前後に摺動するテーブルに加工材(板)を固定して作業を行なうものであることから、テーブル移動丸のこであるともいえる。ダブルソーは、木取り工程の鋸盤というものではなく、仕上げ工程に属するのこ盤ということになり、それだけに工作精度はダブルソーの生命ということになる。作業としては、ダブルサイザと全く同じで、古くは、自動送材方式のダブルソーをL字型に配置間を自動コンベアで連結して一回の送材で四周を切断するラインをダブルサイザと呼んでいたが、弁財では自動送材装置のついたダブルソー1台でもダブルサイザー〔パネルの両端(ダブル)のサイズ決定の意味か〕と称しており、それとともにダブルソーに対する考え方、ニーズも大きく変わってきている。
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038 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] ダブルサイザ
ダブルサイザ 【英】 double sizer,double saw
■慣用語・別称
サイザー サイジングマシン
■機械の構造
フラッシュパネル、合板などを自動送りし、通常偶数の丸のこにより、一度の送材で両端を所定の寸法に切断する機械。左右それぞれのコラムに装備された丸のこ軸と、送材を行うエンドレスのキャタピラチェーンによって構成される。材料のサイズによって左右のコラムの一方を固定、他方を移動可能とする加工幅の間隔を調整できるようになっている。 ダブルサイザの加工精度は、送材を行うキャタピラチェーンの走行精度に大きく影響されるため、同機設計、製造の過程におけるポイントとなっている。近年のダブルサイザは、丸のこ軸の傾斜、溝つき加工できる軸などの機能をプラスしたり、加工断面を美しく仕上げる(合板のケバの除去など)ために丸のこ軸を上下各2軸合計4軸を装備したものなどもありダブルテノーナ(両面ほぞ取盤)との判別も難しくなってきている。
■概要
日本の家具はフラッシュパネルのダボ結合構造となっており、部品となるパネルの寸法精度が、品質に大きくかかわり合いを持ってくることから、収納家具工場におけるダブルサイザは重要な位置を占める。合板工場においては、合板仕上げ機械に分類され、ホットプレスからでてきた合板の寸法決定に使用される。
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039 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] マルティプルサイザ
マルティプルサイザ 【英】 multiple saw
■慣用語・別称
マルティプルソー フォーサイドトリミングソー
■機械の構造
水平な1本の丸のこ軸に取付けた多数の丸のこにより、加工材を同時に切断加工する木工のこ盤。1枚の丸のこを取付けた軸が多数のものもある。機械の大きさは、丸のこの直径及び丸のこ軸の有効長さで表す。
■概要
主として広幅の平板加工材を1回の送りで同時に多量の部材に切断するために用いられる多刃丸のこ盤で、ギャング、クロスカットソーともいう。機構的にはダブルソーと酷似し、機体上方に設置された1本の丈夫なバーに数個の丸のこヘッドを吊り下げ、手動で前後にスライドするテーブルに加工材を置いて切断する手動式と、上部にはバーより加工材の押さえ用のキャタピラ装置をそれぞれ数個ずつ備え、各装置が単独に左右に移動して、間隔が調節されるようになっている自動送材式のものとがある。切削目的は合板、繊維板、石膏ボード、フラッシュ合板などの多量のサイジング作業や溝付け加工に用いる。なお、木工丸のこ盤には2台のダブルソーを直角方向に連続して、1回の工程で長さと幅の2つの寸法決めおをしてしますダブルサイザー、一方向の送りで加工材の長さ、幅を一挙に決めるフォーサイドトリミングソーの一種。
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040 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] 木工帯のこ盤
木工帯のこ盤 【英】 band scroll saw
■慣用語・別称
バンドソー・帯のこ
■機械の構造
フレームに取り付けた2個あるいは4個、4個ののこ車に帯のこを掛けて緊張させ、そのうちの1個あるいは2個ののこ車によって駆動し、テーブル上で工作物を主として「ひき回し」て加工する。テーブルは傾斜できるものもある。元来、帯のこ盤は製材に使用される機械であるがのこ車の直径が1,000mm以下のタイプを木工帯のこ盤といっている。直線びきのほかに、曲線びき作業を行うことが多いので、のこ身幅も狭いものを使う。
■概要
のこ車2個タイプのものは、テーブルも大きく、「ふところ」を大きくするためにはのこ車を大きくすることを必要とし、比例して機械も大きくなるなることがさけられない。これに対してのこ車を3、4個使用するタイプのものはのこ車を小さくすることができるため、①「ふところ」を深くできること②小型化できること③厚物材の加工ができる④騒音をおさえることができる等の特徴をもち、帯のこ盤の使用分野を広げている。帯のこ刃3点、4点支持タイプの登場によって帯のこ盤を工場から工房・アトリエの分野まで広げ、使用分野としては家具、建具、建築、木工、工芸、内装・看板、仏壇・仏具、彫刻・彫金等とあらゆる業種におよんでおり、切断する材質も木材、プラスチック、布地、金属、ゴムとガラス板以外の切断を可能としている。帯のこも3~13mm幅まで5種類(特注サイズも可)用意されており、糸のこ的な使い方も可能となっている。
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041 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] 糸のこ盤
糸のこ盤 【英】 fret saw machine,universal scroll saw machine
■慣用語・別称
糸のこ ミシンのこ
■機械の構造
一般に糸のこ盤はフレーム、テーブル、アーム、糸のこ刃、クランク、吊上スプリング、モーターの各部からなっており、モーターの回転運動をクランクを通して、上下運動にかえる仕組のものをいう。糸のこ刃は下部のクランクと上部のアームにささえられて振動するが、常にピーンとはっていなければならないため、上部の吊上スプリングで糸のこ身に張力が与えられている。
■概要
小さい曲率の曲線を挽き回す細幅の鋸をカムとスプリングによって上下に揺動させて挽き回す機械で、足踏み式と電動式とがある。中抜き作業が楽な上部より糸のこ刃をレバー操作で挿入するだけでセットできる自動狭着機構付のものもある。糸のこ刃は15cm程の長さで、厚さは0.5mm前後が基本。また、木工用の糸のこ刃には、2山~5山の返し刃があり、素材裏面の仕上げを行なう。糸のこ盤は非常に幅の狭い糸のこ刃を上下に振動させて切断するため、糸口が細かく、美しい曲線に切断でき、また糸のこ刃の脱着が容易なため、素材の中抜き作業が楽にできる。糸のこ刃を替えることにより、木材・金属・プラスチック樹脂など、いろいろな材料の加工が可能である。使用業種は、切抜き・中抜き加工ができるため、広範囲に使用されている。とくに建具、看板、トムソン抜型、木型、工芸品、仏具などの加工業者に適するほか、安全性に非常に優れ、使い易い利点も備えているため学校教材としても広く使用されている。
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042 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 手押しかんな盤
手押しかんな盤 【英】 hand feed planer and jointer
■慣用語・別称
手押し 手押しかんな
■機械の構造
回転するかんな胴とその駆動装置、昇降できる一対のテーブル、定規、安全装置及びこれらを保持するフレームから構成されている。 かんな胴は2、3あるいは4枚のかんな刃を保持し、毎分4,000~6,000回転の高速で回転するため、完全な動的バランスと高い軸受精度が要求される。テーブル昇降機構は一般にスライド式、くさび式及びリンク式の寸法が採用されている。
■概要
工作物のむらを除去して平滑な基準面を削りだし、さらにこの基準面に直角の、こば面をつくるため、テーブル及び定規表面は精密に仕上げられ、この直角度及び前後テーブルの平行度は高い精度を保っておかなければならない。 一般的には工作物をテーブル面に軽く押さえつけて、回転するかんな胴上を手送りして切削を行なう。最近は安全性と作業性を向上させるねらいから、自動送り装置を装着して使用する例が増えている。最も基本となる機械であるため、家具、建具、建築造作材、その他木工所と、木材加工に携わるあらゆる分野で使用されている。
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043 |
[ 木工機械|木工のこ盤 ] こば取り盤
こば取り盤 【英】 glue jointer
■慣用語・別称
自動こば取り盤 自動そば取り盤 こば取り そば取り グルー・ジョインター
■機械の構造
工作物を自動送りし、回転するカッタヘッドにより、接着を必要とする板材の端面を、性格かつきれいに加工するかんな盤。加工する機械の端面を立てた状態で送材し、下部にカッタヘッドを回転させて加工する。
■概要
板材をはぎ合わせ接合する端面の精度を正確に加工する場合、手押しかんなでも面取り盤でも加工できるが、高級品を量産する工場においては専用として「こば取り盤」を必要とする。特にピアノなどの楽器とか民芸家具などムク材を加工する工場においては威力を発揮する。そのほかにもキャビネット、ドア、ウッドサッシ、木箱などの木材加工分野において活用される。 また、カッタヘッドをかえることによってイモハギ、サネハギから合いジャクリなども加工することができ、住宅材の床材、サイディングの端面加工の分野でも使用されている。 スパイラル刃物を使用し、切削面のムラをなくすると同時に騒音を押えたタイプも開発されている。 なお、こば取り盤の機械本体の性能、精度も重要な要素ではあるが、カッタヘッドの精度も欠くことのできない要素であることはいうまでもない。
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[ 木工機械|木工かんな盤 ] 自動一面かんな盤
自動一面かんな盤 【英】 single surface planer
■慣用語・別称
自動一面 プレーナー
■機械の構造
かんな刃を取り付けたかんな胴を回転させ、部材を自動的に送り込んで削るかんな盤。上面だけを削って厚さを決める自動一面かんな盤、上下二面を同時に削って厚さを決める自動二面かんな盤、上面及び両側面を同時に削る自動三面かんな盤、上下及び両側面を同時に削る自動四面かんな盤などの種類がある。
■概要
もっとも広く普及されている機種でむら取りされた基準平面をある程度の仕上がり面で加工材の厚さを決めるのが主な用途。性能上の大きさは有効切削幅及び加工する事が できる最大厚さで表され、その機構は上部が開放した鋳鋼製の箱型密閉式の機体と、その上部に固定された回転する横かんな胴の軸、その前後に配置された送り及び板押さえ機構、かんな軸下部に取り付けられ、上下に昇降して加工寸法決定の基盤となるテーブルなどから構成され、さらにかんな軸の回転、送りローラの回転及び板押さえの昇降調節、テーブルの昇降操作などからできている。最近はプリセットカウンターを付け、加工厚さを自動的に設定するタイプや、コンピューターを組み込み、加工厚さを自動的に制御する機種もある。
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045 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 自動二面かんな盤
自動二面かんな盤 【英】 double surface planer
■慣用語・別称
自動二面かんな
■機械の構造
かんな刃を取り付けたかんな胴を回転させ、部材を自動的に送り込んで削るかんな盤。上面だけを削って厚さを決める自動一面かんな盤、上下二面を同時に削って厚さを決める自動二面かんな盤、上面及び両側面を同時に削る自動三面かんな盤、上下及び両側面を同時に削る自動四面かんな盤などの種類がある。
■概要
1回の自動送材中に被削材の上下面を切削することができ、自動一面かんな盤の機構の一部に手押かんな盤の機能を取り入れ、コンパクトな1台にまとめたものである。
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046 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 自動三面かんな盤
自動三面かんな盤 【英】 three side planing and moulding
■慣用語・別称
多面かんな盤
■機械の構造
かんな刃を取り付けたかんな胴を回転させ、部材を自動的に送り込んで削るかんな盤。上面だけを削って厚さを決める自動一面かんな盤、上下二面を同時に削って厚さを決める自動二面かんな盤、上面及び両側面を同時に削る自動三面かんな盤、上下及び両側面を同時に削る自動四面かんな盤などの種類がある。
■概要
自動一面かんな盤のテーブル中央部のみを前方に延長し、左右に各1個の立かんな軸及び送り装置を配したもので、上面と左右両側面を同時に、しかも成形カッターを用いて曲面加工も可能であり、量産工場には欠くことのできないかんな盤。本機には横かんな部分が一般自動一面かんな盤と同様の形式、構造を持つ汎用形三面かんな盤と、横かんなの有効切削幅を小さくして軸を片持ち式にしたオープン形の専用小型三面かんな盤とがあり、後者は框材(棒材)及び幅厚板の三面削り専用に用いられる。また、加工材を正しく直線状に削り進めるための直線定規がテーブルに取り付けられている。かんな胴は厚かんな刃の成形刃物を取り付けるために必ず角胴形である。立かんな胴も角胴形で、タテ形電動機直結か、あるいはVベルト連動で毎分3,600から5,000回転する。立かんな胴は左右に動いて加工幅を調節し、また上下に動いて面形の位置を定めることができる。
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047 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 自動四面かんな盤
自動四面かんな盤 【英】 fgour side planing and moulding machine
■慣用語・別称
多面かんな盤 多軸かんな盤 モルダー
■機械の構造
かんな刃を取り付けたかんな胴を回転させ、部材を自動的に送り込んで削るかんな盤。上面だけを削って厚さを決める自動一面かんな盤、上下二面を同時に削って厚さを決める自動二面かんな盤、上面及び両側面を同時に削る自動三面かんな盤、上下及び両側面を同時に削る自動四面かんな盤などの種類がある。
■概要
加工材を1回の送りで上下両面及び左右側面の四周側面全部を切削するかんな盤。本機には、かんな胴が上下1、左右各1の計4軸式であるが、むら取り結合形、5軸式、6軸式のものもある。また、自動三面の小型専用機と同様、横軸が片持ちオープン式の小型機もあり、その利用範囲は広い。なお、かんな軸数を増やしたもので、重切削で精密加工が可能な重量高級型は”モルダー”と呼ばれている。
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048 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] むら取りかんな盤
むら取り二面かんな盤 【英】 levelling and thicknessing planer
■慣用語・別称
むら取り二面
■機械の構造
板の基準面を削り出す自動送り装置のついたかんな盤のことで、通常、手押しかんな盤のうえに個々に作動するスプリングによって材料を押す爪(スパイク)付のエンドレースチェーンの自動送り装置を装備した機械となっている。板面を加工する場合、加工面積が大きいため切削抵抗が大きくなるので危険なことから、手動送りするかわりにエンドレスキャタピラチェーンによって自動送りするもの。むら取り装置の機構として①手押しかんな盤の横に据え付け、必要に応じて180度回転させて、かんな盤の上部に固定するタイプのもの②かんな盤の4隅に支柱をたて、これにむら取り装置を組み込んだものがある。機構的には、回転する2本のかんな胴とむら取り用送り装置を備え、加工物の基準面と厚さ決定を行うかんな盤。1回の送りで表裏二面を同時に切削し、特に下面のむら削りしたのち上面を削って厚さを決める。
■概要
むら取りかんな盤における「むら取り」の意味するところは、板材の基準面を作ることを目的とする。なかでも「むら取りかんな盤」は木工の基準作業をする機械としてはなくてはならない機械に属するが、むら取り装置の取り付け方によって、上記①のタイプのものは小型であること、手押かんな盤としての使用も可能であるのに対し②のタイプは広幅大型板用として量産工場に使用されている。「むら取り二面かんな盤」は、一度の送りで表裏を切削、下面をむら取りしたのち上面を削って厚さを決めるため、自動二面かんな盤より合理的というとらえ方もあり、量産工場に適している。
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049 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 直角二面かんな盤
直角二面かんな盤 【英】 squaring planing jointing machine
■慣用語・別称
直角二面 直角二面かんな
■機械の構造
回転する横かんな胴と立かんな胴とそれらの駆動装置、昇降できる一対のテーブル、左右移動できる立かんな軸用定規、自動送材装置及びこれらを保持するフレームから構成されている。
■概要
木材の基準面とその面に直角な面を同時に真直に削りだす。そのため、基準となるテーブル及び定規の真直度と前後テーブル、前後定規の平行度は高い精度が要求される。また、テーブルと立かんな胴との直角度も重要。長尺物の直角度を一工程の送材で得るためには、加工する木材のほぼ全長が手前テーブルに乗るようにテーブルは十分な長さが必要。木材のムラ、ソリ、ネジレに応じてその都度削り代を変更する必要があるために、手前テーブル及び定規は容易かつ確実に昇降、移動できることが必要。送材を容易に安全に行なうよう、自動送材装置が装備されている場合がほとんどである。木材の基準加工を目的とした機械であるため、建築造作加工場、家具、建具工場など、木材加工のあらゆる分野で使用されている。
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050 |
[ 木工機械|木工かんな盤 ] 自動多軸かんな盤
自動多軸かんな盤 【英】 automatic moulders
■慣用語・別称
モルダー
■機械の構造
手押かんな盤、自動一面かんな盤が一回の送りでそれぞれ一面のみを削るのに過ぎないのに対し、相対する二面以上を削るかんな盤を自動多面かんな盤という。そのうち上面および、左右両面を含めた四面以上4軸以上の加工軸を用い丸のこおよびカッター、ナイフによって加工材を切削するかんな盤を多軸自動かんな盤、モルダーと呼ぶ。したがって、4軸以上、機種によっては17軸にも及ぶ軸数を有する水平、垂直上・下面、むら取り、自由などの加工軸を持ち、それぞれ各軸用の調整、自動送り装置、送り速度の調節装置などによって構成されている。中にはコンピューター装置を取り付けたタイプもある。
■概要
高精度の自動多軸かんな盤になるとむら取り、矩(カネ)決め、四面削り、溝切り、丸棒などの変形加工、ギャングリッパーなど多機能を同時に備えたものもあり、建築内装材の加工、集成材加工、家具・額縁・建具加工と量産工場から専門工場まで幅広く使われている。比較的大きな規模の工場から、高い生産性と高精度の加工が要求される比較的小さな工場まで、価格も手頃になり、人件費や材料費の高騰に対処すべく、多人数、多工程を合理化してしまうモルダーを導入するメーカーが多くなっている。
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