用語集

101 [ ] 枠組機

枠組機 【英】 automatic frame assemble & stitching machine

 

■慣用語・別称
ステッチングマシン フレイミングマシン

■機械の構造
幅1,500~2,000㎜、長さ5,000㎜、高さ1,500~1,700㎜にも及ぶ大型機械。フレームの上部800㎜Hあたりに送材用のコンベヤー、この上部に横機供給装置、縦機供給装置を装備し、それぞれ希望する加工材のサイズに合わせ自動投入。ホットメルトガンによって接着剤を塗布すると共に圧縮機構、本体前部に取付けられたマイコン制御などの操作盤を持ち瞬間接着を行うものが多い。 

■概要
流し台工場や家具工場などのパネル製造工程を担うもので、フラッシュパネル量産工場に多く採用されている。  ワイヤー式によるものや限定された寸法だけを量産するもの、酢ビ系の接着材を使用するものなど目的によって使い分けられたりもしているが、省略化が図れ、経済的なメリットが大きいこと、コンベヤーの送りスピードが6~25M/minまで無段変速でき、生産計画に合わせたラインの調整役にもなっている。  

102 [ ] 箱組締付機

箱組締付機 【英】 casing clamp,body press

 

■慣用語・別称
ボディープレス

■機械の構造
収納家具や婚礼セット、キャビネット、キッチン家具をプレス・シリンダーによって組立てる機械。 本体は、門型のフレームと、各種サイズに対応できる水平軸と垂直軸の移動軸からなり、それぞれの移動軸にプレス・シリンダーが取りつけられている。 組立てるべき家具を移動軸内にセットし、プレスシリンダーによって、ダボ穴に閉塞された糊を外周部、又は木材の繊維の中に充分拡散するため、瞬間的に高圧をかけ、組あげるもの。従来は圧締した段階で木槌又はゴムハンマーなどで押圧部を殴打することが、一般的な工程だった。

■概要
箱組締付機は、ハンマーに代る装置を内蔵し、圧締、打ち込み機械的に行い、確実な組み立、高い作業性を確保したもの。 圧締は空気圧により、一次、二次の二段階などにより、完全な打ち込みができるようになっている。圧締は600kg前後の力で行われ、家具の大型化 ・多品種生産化にも対応できるスピード性、自在性、確実性をめざした機械づくりがなされている。  

103 [ ] 建具組立機

建具組立機 【英】 door press

 

■慣用語・別称
組立機

■機械の構造
本体下部の水平受定盤とこの受定盤に対峙した下部の加圧定盤を有しており、加圧定盤は左右一対のねじ軸により昇降駆動される。材料は両定盤によってクランプされ組立加工される。 

■概要
建具を構成する縦横の框材、機材などのほぞとほぞ穴の嵌合組立を行なう場合にもっぱら利用されており、作業の迅速化、省略化を目的として旧来から広く使用されている。建具の大きさ、ほぞ強度などに応じて自由にプレス圧力を調整することができる方式が採用されており、大物材から小物材まで幅広く対応することができる。立型フレームのため、壁面を利用しての設置が可能。 左右一対のねじ軸駆動方式により加圧盤を昇降させるようになっており、加圧力のバランスが均一で歪みなどのない組立ができるようになっている。電動モーターによってねじ軸駆動を行なうことにより、ランニングコストの低減などが計られている。面材加熱装置を装備して縁貼機として利用することも可能である。  

104 [ ] 木材乾燥機

木材乾燥機 【英】 wood dryer

 

■慣用語・別称
乾燥機

■機械の構造
乾燥室、温・湿度自動制御装置、加熱、送風、調湿装置などで構成されている。熱源には蒸気、温水、電熱を利用する三方式があるが、一般的にいえば、乾燥材の収容石数が大きな乾燥室には蒸気が用いられ、石数の少ない場合には温水か電熱が用いられる例が多い。 

■概要
現在の木材人工乾燥の分野において、広くまた多く使用されているのがこの熱風方式である。この方式は、熱風を乾燥室内に設けた送風機(ファン=インターナルファン)によって循環させ、木材を乾かす方式である。人工乾燥としての歴史も古く、乾燥に関する全般的な資料や統計などもほとんど整理されており、仕上り含水率の如何にかかわらず、無難な乾燥ができ、乾燥時間もほぼ計画値により確立されている。 この方式が種々の乾燥法の中でも特に中心的とされる理由は、各種の木材に対する適応範囲が広いこと、作業性がよいこと、設備コストやランニングコストなどが妥当な額であることなど、多くの利点を有するからである。 このほかにも、除湿乾燥、真空乾燥など樹種や資金に合わせた種々の乾燥方法もある。

105 [ ] 塗装機

塗装機 【英】 automatic spraying machine

 

■慣用語・別称
自動塗装機 ローターリ塗装機 塗装ロボット

■機械の構造
塗装機は、塗装される加工材の型状により非常に多種多様な形状とならざるを得ない。大きく分けると部材の段階で塗装してしまうものと、組立後、全体塗装を施すものとの2タイプになろうが、ここでは自動塗装機の開発、普及がかなり進んできた部材塗装について取り上げた。 基本となるのは、コンベアなどの投入装置を持ち、塗装条件により、随時塗布量、塗布角度の調整が可能な全自動のロータリー式などの塗装ガンをセットしたスプレーブースがあり、ミストを排出する為の排気ファン、またはノーポンプブースの設置。オプションによって、塗装品の乾燥炉まで連動させ、完全自動化した設備もある。  

■概要
塗装工程の作業環境の改善、省力化をめざすと共に塗装品質の均一化、高品質化を図ろうとするもので、使用可能な塗料も多く、箱物、脚物の家具量産工場、住宅機器・建材工場、建具、家具工場まで他業種に設置されている。塗装はキャビネット内でされるため作業環境が改善される。前取り作業のみで省力化が図られる。水性・油性・液性など使い分けが可能なものなどがあり。将来性が高い機種の一つ。  

106 [ ] ロールコータ

ロールコータ 【英】 roll-coater machine,painting machine

 

■慣用語・別称
ロール式塗装機

■機械の構造
ロールを回転させることによって面材に塗装する機械。各3本のロール駆動がすべてそれぞれ独立した3基のモーターにより直接回転させるダイレクトドライブ方式を採用し、微妙な回転ムラ、スネークマーク、機械の微動等々を極限状態にまで抑えて美しい塗装を行なうことができ、塗装の特性により、回転を正・逆いずれも使い分けができるもので、逆回転で併用すれば高精度な塗装面も得られる。とくに下ロールの周速度をインバーター装置で微妙に変えることにより、ほぼ完全に鏡面上に仕上げることができるもの。 

■概要
従来ではまったく考えられなかった新しい方法を各採り入れ、低粘度から高粘度までのあらゆる塗料に対応できる最新鋭の塗装機械。

107 [ ] 塗装室

塗装室 【英】 painting booth

 

■慣用語・別称
塗装ブース

■機械の構造
塗装作業のうち、組立後の仕上げ塗装は、手動式、自動式のいずれの方法にしても、粉塵が侵入しない塗装室、塗装乾燥室が大切。さらに均一制御風速装置や換気フィルター、排気ファンなどを使って、それぞれの室ユニット化、ブース化したのが、ここで説明する塗装室、塗装乾燥室。 方法としては、簡易ブース、水の濾化する力を利用してノーポンプ・ブース、ブッシュとプル吸・排気装置のユニットを組合わせ、局所ごとの運転もできるプッシュ・プルタイプ、それより大型のピットレス圧送式などがある。  

■概要
塗装液など有機溶剤については、労働省も中毒予防規則を設けているように人体に及ぼす影響も大きい。高度の疲労倦怠感や興奮、頭痛、食欲不振、中枢神経・自律神経系などの障害などを人体に引き起こすと言われており、作業場の労働安全衛生面からもブースの設置が多くなっている。 また、塗装乾燥室は、これまで現場施工の乾燥室にヒーターで室温を高めたり、換気扇でフレッシュエアーの吸排気を行うケースが多かったが、これをユニット化し、クリーナー装置の導入などによって内部を絶えずプラスの空気圧に保ち、循環気流によってゴミやホコリを取り除くようにしたもの。

108 [ ] 塗装乾燥

塗装乾燥機 【英】 IR・UV drying system

 

■慣用語・別称
赤外線乾燥機 紫外線乾燥機

■機械の構造
木材塗装において塗料の乾燥方法としては、大気中で自然の形で塗料を硬化させる自然乾燥と熱が持っている伝導、対流、放射などの現象を利用して固化する加熱乾燥、紫外線を照射させることによって化学的な反応を起こし硬化させる紫外線硬化法が主に用いられている。 

■概要

● 熱風乾燥 ガス、石油、電気、蒸気などを熱源として熱風乾燥炉を設け、塗料を乾燥させる方法で、密閉式とトンネル型の乾燥炉、間接加熱と直接加熱の加熱方法がある。

● 赤外線乾燥炉 近・中・遠の赤外線を照射し、塗膜がこれによって加熱され乾燥する。赤外線を放射するものとしてはランプ、ヒーター、バーナなどがあり、生産の規模や被塗物の形状に適合した赤外線炉を設けて乾燥を行う。特徴としては、加熱面の温度上昇が速く、予熱時間が少ない。設備費が比較的安いことなどがあげられている。

● 紫外線乾燥炉 紫外線による硬化は、光重合開始剤が含まれた紫外線硬化塗料を使うことによって、化学的な反応を得ることで、短時間に硬化し、照射する時間、強度によって硬度が定まる。設備としては300~400μmの紫外線を放出するランプを使用し、コンベア、排気、冷却装置、紫外線のしゃへい装置で構成されている。  

 

109 [ ] 自動送り装置

自動送り装置 【英】 automatic feed device

 

■慣用語・別称
自動送り 自動送り機 送りローラー

■機械の構造
送り出しローラー、ローラー軸、ローラーカバー、Vベルト、V車、遊星減速装置、電動機などから成る。加工材の送込みが自動的に行なわれるように、手動の木工機械に取付けられるようになっている装置。 

■概要
自動送り装置は、工作物を手動によって加工する木工機械において、労働災害の多い丸のこ盤、手押しかんな盤、木工帯のこ盤、面取り盤などに使用され、安全を確保しながら作業能率をあげる装置で、設備が期待される機械である。 電動機からVベルトで遊星減速装置を駆動し、減速後チェーンによりローラー軸に伝動、ローラーにより工作物を送る。変速部は上下二組のノブにより数段に変速する。また、ベルト変換及びプーリーの取替え式の機構を持ったものもある。 ローラーは特殊ゴムを張り付け、工作物の厚さ不揃いに圧力調整を行なっている。また、各ローラー軸をスプリングにより加圧している装置もある。  

110 [ ] 自動前取り機

自動前取り機 【英】 full automatic stacker

 

■慣用語・別称
前取機 先取機

■機械の構造
三つのコンベアーからなる。第一コンベアーは材料を受取る作業、第二コンベアーは垂直に積上げる作業、第三コンベアーはいかなる時にも水平コンベアーになっており、安全、正確に積上げる。スリップ防止の駒付。 

■概要
加工機械(サイザ、テノーナ、ダボ打機、サンダ、縁貼機、送り機装着の機械等)により送り出される材料を自動的に受取り積上げるため、省人化が図れる。材料の厚みを感知したり、枚数を数える作業は光センサーで行なうため、調整は一切必要としない。材料の流れがタテ方向、ヨコ方向の場合でも受取り、積込みができる。加工機に送材装置が着装している機械には全てジョイントできる。  

111 [ ] 搬送管理機械

搬送管理機械 【英】 auto positioning table unit

 

■慣用語・別称
オート定規 オートテーブル 自動位置決め装置 NC位置決め装置 マイコン位置決め装置

■機械の構造
自動切断機及び溝加工機に接続して、短時間に長尺材の位置決め等ができる装置。切断の長さを記憶させ、任意に呼び出して材料を定寸切断することが出来る。この装置は誰にでも操作できるように電子制御カウンターが取り付けられており、長さ決め切断、溝入れ加工等の位置決めが自在にかつ高速、高精度に行なえるように設計されている。 

■概要
正確な寸法切断を目的とする加工作業において、必要寸法数字をインプットするだけで、簡単に材料の定寸切断位置決めを行なう装置として使用されている。電子制御カウンターはNC及びマイコン制御の各装置を取り付けたタイプがほとんどで、入力0.1mm単位から、0~9999,9mmまでの位置決め制御範囲までができ、10種類以上の定寸位置決め数字を記憶させることが出来なければならない。定規送り速度は20m/分位が一般的で、高速・低速の2速制制御仕様となっている。

112 [ ] レ-ザーマーカ

レーザーマーカ 【英】 gas laser marking projecter

 

■慣用語・別称
レーザーマーキング レ-ザー投光器 レーザープロジェクター

■機械の構造
He-Neガスレーザー(可視光)などを光源に使用し、特殊な光学系により精度の高い線形(点または十字型等)パターンを投映する装置で、レーザーマーカー本体と電源が一体になったものもある。木工・製材業界において線形パターンが多用される。 

■概要
レーザーマーカーの光は赤色光等であるため目視確認が容易で、しかも擬似平行光であるため細い線幅の直線が得られる。このため、挽道上にレーザー光線を投映されるようにセットすることによって、原木等の挽道が前もって確認できる。作業者はレーザー光線と加工ラインを一致させることにより、簡単に鋸入れでき、熟練作業でなくてもミスや無駄のない木取り、その他の加工作業が行なえる。主な用途は、原木、板材の切断、アリホゾ・ミゾ加工、耳摺り、各種建材の切断・張り合わせ等の鋸道の位置決め。  

113 [ ] 廃棄物減容処理機

廃棄物減容処理機 【英】 briquetting machine,briquetting press

 

■慣用語・別称
固形型圧縮機 ブリケット ブリケットマシン ブリケッティングマシン

■機械の構造
産業廃棄物をホッパーに投入し、攪拌羽根にてブリッジ防止をし、定量ごとカセット内に原料を送り仮圧縮、続いてメインロッド内の原料を圧縮成形し押し出す装置。 

■概要
木屑、紙屑、ウレタン、プラスチック屑などを油圧で圧縮し、容積を1/5~1/30と大幅に減容し、固形化する。固形化することによって燃料とするなど容易に処理することができ、公害問題も少なくなる。

114 [ ] 集塵装置

集塵装置 【英】 dust collector

 

■慣用語・別称
除塵装置 集塵機 ダストコレクター

■機械の構造
木工機械による作業上で発生する切削くず・研削粉などの軽い浮遊排出物を送風によって吸い込みながら、1ヶ所に集める方法で始末する装置。 

■概要
集塵装置には、集塵すべきチップの性質・形状・量などによって、いろいろな方法があり、大別して(1)移動用小形集塵機(2)サイクロン“cyclone”集塵機(3)バグフィルター“bag filter”集塵機の3タイプに種別される。

・移動用小型集塵機<別称=簡易集塵機、オバQ集塵機>は、小規模な向上や移動を要する場合によく利用される簡易タイプ。

・サイクロン集塵機は“遠心式集塵機”として広く実用されているタイプ。サイクロン=竜巻という意味で、送風式遠心分離集塵槽のことを示し、含塵空気を円筒内で回転させ、その遠心力で外方に分離させ、粉塵を落下、集塵する原理によるもの。

・バグフィルター集塵機は“乾式慮過袋式集塵機”または装置のことを示し、サイクロン方式で細く出来ない微粉塵、とくに不燃材・サンダー研削粉などに効果的で、集塵率99%以上の捕集が期待できる装置。実用装置としては、各種慮布材(木綿・ポリエステル系が主)やバグの形状に円筒状と平板状の2種類から払落し方法によって多くの形式タイプにそれぞれ分類される。パルス・エア形式もその一例。 合板・建材・住器・家具・建具・樹脂などの向上において発生する木くずや木粉を効率的に集塵させる目的で使用され、労働安全衛生法に基づく粉塵障害防止規正で義務付けられている装置の1つ。  

115 [ ] 焼却炉

焼却炉 【英】 incinerator

■慣用語・別称
インシナレーター ボイラ

■機械の構造
廃材の燃焼装置として従来から多く使用されているのは水平火格子、あるいは階段火格子の燃料炉。階段火格子では上部から廃材が自重によって灼熱した火層の上へ滑り落ちていく。組合わせるボイラ缶体は胴部に燃焼ガスの通路になる多数の煙管を設ける煙管式が普通。どのような形状の廃材もそのまま手でたく小型ボイラ、大型ボイラでは、あらかじめ破砕した廃材を上部より連続的に供給し、高温ガス中を落下させ火格子上で燃焼させるダッチオープン型よばれる方式が多い。廃材を炉内で浮遊させながら燃焼させる方式もあるが、木屑を小片化する一方、滞留時間を保つような構造になっている。 バーナー燃焼では粒径2mm以下程度とし、含水率も低いことが望まれている。 また、実際の燃焼装置では火格子燃焼、浮遊燃焼を併わせ行うもの、火格子の代りに流動床を利用するものなどがある。  

■概要
工場内の整理、整とんのため、燃焼処理されるのがほとんどであるが、燃焼時に発生するエネルギーを再利用して、ボイラ加熱、乾燥などへの直接利用も増加してきている。  

116 [ ] 丸のこ・チップソー

丸のこ・チップソー 【英】 tungsten carbide tipped saw

 

丸のこには、炭素工具鋼、合金工具鋼、高度鋼、焼結超硬質合金、ダイヤモンド付け刃などの材質のものが使用されているが、そのほとんどは超硬質合金付け刃丸のこ、いわゆるチップソーで占められている。
チップソーは、天然木材はもとより、難削または特異被削性材料の多種多様な挽材切断に欠くことのできないものとなっている。
寸法表示 外径(D)×歯厚(T1)×台金厚(T2)×穴径(d)×刃数(T)で表わす。
例=305×3.0×2.2×25.4×100、305×3.0×2.0×25.4×(39+3H)<正味刃数39、刃袋3> ・キー溝は「幅×高さ-数」 ・ピンホールは「数-孔径×PCD」でそれぞれ表示する。
丸のこ・チップソーは多用途によって細分化しているため、その目的に適する選択方法が必要である。  

117 [ ] 平刃・かんな刃

平刃・かんな刃 【英】 planer,super surfacer knife

 

平刃・かんな刃は、超仕上げかんな刃、スライサーナイフ、ベニヤナイフ、成形かんな刃などの固定刃と、A形(厚刃)・B形(薄刃)の2系列に分かれている回転刃の2通りあり、高速度鋼(ハイス)製と超硬合金製に大別される。刃物軸であるかんな胴にかんな刃を取付けて使用する回転刃は実用的に厚刃は角胴ヘッドに取り付け穴のあるもの、薄刃は丸胴ヘッドに取り付け穴のないものに区別して使用される。手押しかんな盤の丸同形に使用されるときには薄刃をジョインターナイフと称する向きもあるが、薄刃全体を示すものではない。この種の刃物にはいわゆるかんな刃、ジョインターナイフ類に加えて、スパイラルかんな刃もこの分類に属する。 普通、かんな刃は裏かんな刃と共に1組となり、両者は小ネジにより1体として、かんな台にセッティングされる。取り付けにあたっては、規格と照合した上で、その形式、とくに厚刃においてボルトみぞの幅及び間隔薄刃において厚み、すなわちはめ込みみぞとの関係寸法について注意し、刃裏の仕上げ状態の良好なものを選択することが重要である。  

118 [ ] カッター

カッター 【英】 cutter

 

木工用でのカッターは回転式または機械用回転刃物を総称する。この場合、一般的には切削刃先幅の極端に狭い丸のこるいや、広いかんな刃類はカッターと呼ばず、ほぼその中間のもので、回転する軸に取り付けてか鋼材を切削する刃物を独語でフライス、英語でミーリングカッターといい、回転円筒体の周側面で削るものを指す。 カッターの種類は、カッターそのものの形状や刃先形状などから分類すると、溝突きカッター・面取カッター・その他特殊カッターに大別できる。

・溝突きカッター 木工作業における溝加工の基本パターンは“タテ溝”“ヨコ溝”“木口溝”の3通りの方法がある。 タテ溝は、家具、建具など一般の木製品に広く用いられ、ヨコ溝は棚板用の小孔溝、相欠接ぎの欠込みなどに、木口溝は種としてほぞ加工、板組加工などにそれぞれ使用される。

・面取りカッター 面取りには“平面用”“曲面用(総形)”の2タイプがあり、形状・刃型とも多くの種類がある。例えば、成型面取り加工、面縁加工、R加工、羽目板加工で用いられる。また、刃先角度は切削性を向上させるために横すくい角(リード角)を付けたものやスパイラル状のものもある。

・その他、特殊カッター ここに属するカッターには接合用向けに代表され、その加工目的から平ほぞ加工、傾斜ほぞ加工・面ほぞ加工、フィンガー・留接加工、横はぎ加工、組手越加工などが上げられる。また、丸棒や各種異形棒加工用カッターや折曲加工、目地払い用、粉砕カッター(ブレークカッター)などの種類がある。

119 [ ] ビット・ドリル

ビット・ドリル 【英】 bit,drill

 

ビットは主として刃先の先端(穂先)のこと、転じて錐状刃物のことを指す。 ドリルは軸方向に回転しながら主として穴をあけるねじれ錐の総称。

・ルータビット(router bit) ビットの中でも最も多く用いられている標準形ストレートビットは刃数から3枚刃、2枚刃、1枚刃の3つに分かれ、実用上、刃先円直径15mm以上が面取り用として、面形刃(シェープトビット)があり、一般に大型で、2枚刃を普通とし、ねじれ刃形式のタイプもある。カッター同様、ひょうたん・ぎんなん・さじ・坊主などの各パターンでの飾面加工が出来るつけ面ルータビットをはじめ、ガイドが付いたタイプまで多様化している一方、オリジナルデザインに合わせたオーダー製品もかなり一般化している分野でもある。

・ダフテールビット (dovetail bit) 鳩尾ほぞ接ぎ盤で用いる蟻溝加工のエンドミルカッターにあたり、引き出しの前板と側板の継の溝切に使う。左回転用のものと右回転用のものがあり、一般にねじ込み取り付け式であるが、ストレートシャンクのものもある。

・フラッシュビット (flush bit) フラッシュドア、建具などの額抜き用に使用するビットであり、片面用と両面用とがある。

・木工用ドリル (drill または twist drill) ドリルは錐に比べて丈夫で、ねじピッチが大きく、高速回転で強力せんこうに適する穴あけ専用刃物。普通は先端が円錐形になっているが、木工用には先端にけづめとねじのない中心錐(ドリルポイント)を付けたものが用いられる。

・のみ (chisel) のみ刃は角のみ盤に使う中心錐なし、けづめのみの方形薄刃のみ、ねじれ錐の種類に分れ、すべて押し(突き)のみ用のタイプである。

これら、ビット・ドリル類の刃物にはほぞ(ジャンク)が付いた物がほとんどで、これをストレートシャンクのコレットチャックまたはスリーブ締めで主軸に取り付けて作業を行なうのが通例。この他、チップ交換方式によるストレート・フラッシュ・目地払いなどの各種ビットの替刃式タイプも登場し、刃物セッティングのわずらわしさを解消する画期的製品として話題を集めている。  

120 [ ] ダイヤモンド刃物

ダイヤモンド刃物 【英】 diamond edged tool

 

■慣用語・別称
ダイヤソー ダイヤモンドソー ダイヤモンドカッター ダイヤモンド工具

■工具の構造
ダイヤモンド工具もハイスや超硬工具と形状的な差はない。刃先の部分に多くの場合、超高圧高温技術を利用して製造された焼結ダイヤモンドをロー付けし、チップソーやカッター、ビットとして仕上げたものである。 

■概要
メラミンやパーティクルボード、石膏ボードなどの生産現場において新素材、難切削材が多く使用されるようになり、生産の効率化、高精度化のために耐摩耗性に優れたダイヤモンド工具が開発されたもので、超硬工具の50~100倍の寿命の長さが特徴となっている。  

121 [ ] 替刃式刃物

替刃式刃物 【英】 cutting with disposable tool

 

■慣用語・別称
スローアウェイ刃物 替刃カッター 使い捨て刃物

■構造
経済的で使い易いチップ交換式システムの木工用機械刃物。替刃チップには非常に堅い超耐摩耗性合金(スーパー超硬)を採用し、従来品より50%以上の耐久性がある。再研磨をしないため刃先径が一定で、作業性が大幅に向上する。超硬製替刃チップ(両刃)は、刃先精度が高く、いつでも新品の切れ味が得られる。煩わしい刃先揃えセッティングの必要がなく、替刃チップを基準側に軽く押えてボルト締めをするだけで精度が出る便利な構造となっている。主にビット、カッター、平刃・ブロックの刃物製品に見られる。

■概要
替刃式刃物は、その性能、経済性、使いやすさ等の理由から日々に幅広く使用されてきている新しい刃物。木材加工用刃物として業界全体に普及するには未だに低いシェアにあるが、耐久性の向上、機械調整の省略及び刃物管理のし易さ等々の好条件に適し、総合的コスト軽減を実現する刃物として有望な製品と見られている。特にビット&カッターにおいては数多くの替刃式刃物が登場している。電動工具用刃物では最適な刃物と言われている。  

122 [ ] 丸のこ歯研削盤

丸のこ刃研削盤 【英】 circular saw sharpener

 

■慣用語・別称
丸のこ研磨機 チップソー研磨機

■機械の構造
木工丸のこ歯を研削する機械。研削する丸のこをセットし、モーターで駆動して、一ピッチずつ送りこれに同調してモーターで駆動する砥石をあてて研磨してのこ刃形全体を正しい形に研削する。 

■概要
直接生産ラインとは関係ない機械設備だが、「切る」ことは木材加工の基本の1つ。「切る」ことはイコール切断につながり丸のこ、帯のこの切れる切れないの重要性は高くなりこそすれ、下がることはない。丸のこ歯・帯のこ歯は硬くてねばりのあることが要求される。
丸のこ歯・帯のこ歯の材質は硬いともろくなり、軟らかいと「ねばり」がなくなり、このバランスをどうするかということになる。 丸のこ歯の刃先に使用されている材質は炭素工具鋼、クローム、バナジュームを加えた特殊鋼から、現在では超硬チップ(タングステンカーバイト)に中心が移っている。セラミック、ダイヤモンドなどを刃先に使用した丸のこ歯も開発されているが、実用にはいま少しの時間がかかるものと思われる。

このほか「のこ」関係の研削設備として
・木工帯のこ歯研削盤 (英) band saw sharpener〕
回転する砥石と、一ピッチずつ自動送りされる帯のこ歯を研削する研削盤

・木工帯のこ歯丸のこ歯兼用研削盤 (英)band &circular saw sharpener〕
木工帯のこ歯と丸のこ歯の両方を研削できる研削盤。

123 [ ] 手動かんな刃研削盤

手動かんな刃研削盤 【英】 knife grinder

 

■慣用語・別称
研磨機 グラインダー

■機械の構造
かんな刃取付け台に取付けたかんな刃を手動送りして回転砥石により刃先の研削を行なう機械で、主に手押しかんな盤、自動かんな盤、仕上げかんな盤などの平刃の研磨を行なう。 ベース、フレーム、刃物取付台、荒砥石台、仕上砥石台、摺動テーブル等からなる。  

■概要
木材加工機のほとんどは刃物を使用し、刃物の切れ味がおちるとその加工機の能力が十分に発揮できないので、刃研ぎをするが、手作業による刃研ぎは精度が不均一になりがちである。研削盤を使って刃研ぎをすることにより、使用者を問わず高精度で特に直線精度の高い刃つけができる。 摺動テーブル上に付けられた刃物取付け台は、摺動テーブル下側に設けられたラックとピニオン(チェーンとスプロケット)により操作ハンドルに嵌合されたピニオンを回すことで左右に移動する。また、刃物台は両端が軸台で支えられており、ウォーム機構により角度調整ができるようになっている。 各砥石台には砥石用電動機を有し、昇降ねじの回転により、コラム面を上下に移動するが、荒砥石台と仕上砥石台とがあり、荒仕上用には平砥石、カップ砥石もある。  

124 [ ] 自動かんな刃研削盤

自動かんな刃研削盤 【英】 automatic knife grinder

 

■慣用語・別称
自動かんな刃研磨機

■機械の構造
砥石台またはかんな刃取付台に取り付けた刃物を自動的に左右往復摺動させながら、かんな刃先を研削する機械で使用する砥石は皿型、平型の荒研削用と、わん型の仕上研削によって行われる。機械の大きさは、刃物取付面の長さで表わす。 

■概要
荒研削から仕上げ研削までワンタッチで自動刃物研削ができる。荒砥石用ヘッドは刃物形状(シノギ)に合せて1度から+20度まで傾斜でき、仕上げ砥石用ヘッドは0度から5度の範囲で傾斜でき、荒研削と仕上げ研磨の角度差をつけることができる。また定芯型刃物装置を採用し、刃先位置を一定にしている。これらの操作をより簡単に安定した精度に保つマイコン制御装置を備える機械もある。  

125 [ ] 超硬工具研削盤

超硬工具研削盤 【英】 carbide tool grinder

■慣用語・別称
チップソー研磨機 超硬チップ研磨機

■機械の構造
刃先に超硬チップ(タングステンカーバイト)を使用した超硬刃物を研磨する機械で、主としてダイヤモンドホイールによって研削する。超硬刃物の研磨に必要な条件(すくい角、リード角、先端研ぎ角、外径、逃げ角)が正確に得られるようにダイヤモンドホイールは回転しながら往復運動をしながら研削する。 超硬研削盤は、超硬チップソーを研削するものと、超硬カッターを研削するものに分かれ、ダイヤモンドホイールを回転させることによって研削する、という基本的な作業は変化はないものの、被研削物(超硬刃物)のセッティング、ダイヤモンドホイールのあて方などは、メーカーによって異なる。 超硬工具研削盤は構造的には、木工工具研削盤と大きなちがいはみられないが、各部が精密につくられていることである。  

■概要
超硬工具研削盤のユーザは、超硬刃物(チップソー、カッター)の製造メーカー、そして再研磨専門業者に分かれる。 近年の超硬工具研削盤は自動機化され、研削精度の向上に、均一化が図られている。「切る」「削る」は木工作業の基本であり、木材加工業においても研削に対する認識は高まっており、「切れなくなったから研削する」というのではなく、「何メートル切削したから研削する」という考え方に変わってきている。その方が、完成する製品の出来上り、また超硬工具の保持にも好影響を与えるからである。  

126 [ ] フィンガーカッター研削盤

フィンガーカッター研削盤 【英】 finger cutter grinder

 

■慣用語・別称
フィンガー研磨機

■機械の構造
工具研削盤の摺動テーブル上に両端より、フィンガーカッターを保持する機構を取り付け、ミニフィンガーカッターが多枚数同時研削できる様に設計されている。勿論、刃物は自由に回転する仕組みである。主軸に装着されているダイヤモンドホイールの端面、正確にカッター(すくい面)を接触させ、固定してからスライドテーブルに左右動を与え研磨する。 

■概要
ミニフィンガーカッターは従来ハイスの一体式であったが、近時、合板、積層板、集成材の発達、需要増によりフィンガーカッターでの木材の連結は常識化されると共に、カッターも寸法精度の保持、耐久性に対する要望等に起因し、殆ど超硬カッターが使用される様になった。当初はカッター一枚づつを研磨し、それを組合せて使用したが、能率、精度等の観点より1ショットでの同時研削が必要となり、現在はそれが主流である。