フィンガジョインタ
フィンガジョインタ 【英】 finger jointer
■慣用語・別称
フィンガージョインター ミニフィンガージョインター
■機械の構造
木材の強度の向上、そして工学的に大径、幅広板を作る方法で、木材の欠点であるクサレなどを除去した板または角材などの木口端面をカッターなどによって継手加工を施し、これを長さ方向に接合し、長尺材に再生するもの。主に集成材加工ラインなどに採用されるため、自動化、無人化が進められており、ローラーや送り装置が目立つが、基本になるのは、端面やフシの部分などを切断する木口切りカッター、継手加工を行なうフィンガーカッター、継手部分に糊付を施す糊付ローラー、接合部分を配列、セットし圧縮プレスする三つの工程である。加工にはフィンガーカッターを用いたりするが、セットする機械としては、立て軸ほぞ取り盤、面取り盤などを使用することもできるように、すでに単独の機械としては開発されたものではあるが、三つ全部か、二つの工程を自動的に連続したものがフィンガージョイント製造機であり、プラント設備として位置づけられているものである。
■概要
フィンガーの加工方向による分類として木理に平行な方向に加工する。加工材の厚さの方にフィンガー加工する水平フィンガージョイントと木理に対し垂直な方向に加工する、加工材の幅の方にフィンガー加工する垂直フィンガージョイントに分けられているが、これらはそれぞれ次のような特徴を持っている。
●水平フィンガー
・フィンガーシェパーカッターが薄くてよい
・特に針葉樹の場合は木理による材のにげが生じやすく、正確なフィンガー形状の加工がむずかしい
・厚さ方向のバラツキが生じ易いため、これを防止する対策が必要である。
・特に針葉樹の場合木理によって圧締時に割れが発生しやすい。
●垂直フィンガー
・フィンガーカッターが厚く必要(カッター数が多い)
・所要動力が大きい
・フィンガー加工時ほぼ木理に直角方向で切削し、しかも繊維の分断により成形変化が少ない
・厚さ方向のバラツキは生じにくく、しかも幅方向のバラツキは発生する可能性はあるが、水平フィンガーより垂直フィンガーのほうが歩留りがいい。
水平、垂直フィンガーの選定にあたっては加工する材料や形状、デザインなど総合的な判断によって決定すべきであろうが、フィンガージョイントのメリットとしては次のような点があげられている。
(1)短尺材を利用しながら良質の長尺材が得られる
(2)必要な部材に相当する正確な長さが得られる
(3)ねじれ、曲りなどを矯正した材が得られる
(4)他の縦継ぎ工法に比べ生産性が良く歩留まりが良い
(5)木材の質や美観を高める