用語集

両端ほぞ取り盤

両端ほぞ取り盤 【英】 double end tenoner

 

■慣用語・別称
ダブルエンドテノーナ テノーナ

■機械の構造
左右にコラムを配し、一方を固定、他方を移動方式とし、コラムに装備したエンドレスのキャタピラチェーンによって自動送材し、のこ軸のほかにカッタ軸を備えて工作物の左右両端の切断、仕上げと同時に各種の面取り加工、ほぞ、溝、段欠きなどの加工をする機械。工作物の途中から溝加工をして途中で終える「止まり溝突き」加工もジャンピング装置を装備することも可能となり、多目的な用途を持った機械ということができる。加工内容によって機械の大きさ、軸数、コラムの型式などが決まってくることから、ダブルエンドテノーナを選択するにあたっては、まず何をどのように加工するかを決めることが要求される。  

■概要
木工における代表的な接合方法の一つである“ほぞ”の加工から、直線面取り、止まり溝突きと多目的な加工を特徴とすることから、収納家具のフラッシュパネル、大型住宅パネルのサイズを決め、ドアにおけるほぞ加工と多くの分野で使用されており、高性能、高能率を要求する量産工場では欠くことのできない設備となっている。 外観では非常に似ているダブルサイザの加工がサイズ決定を主とした機械であることから、来たるべき将来を予測してダブルサイザよりダブルエンドテノーナを採用する傾向にある。(ダブルサイザのテノーナ化の傾向も、近年の特徴のひとつ) エッヂバンダー(縁貼機)の普及にともない、縁材が貼られる加工物の精度が要求されるようになってきており、ダブルエンドテノーナとエッヂバンダーとのコンビネーションマシンなども登場しておりパーティクルボードを材料とするシステムキッチンにおいても欠くことのできない設備となっている。また、木造在来工法住宅用構造材のプレカット工場においてもダブルエンドテノーナは重要な存在にあり、複雑多岐にわたる機械の切断およびほぞ加工に威力を発揮している。 ダブルエンドテノーナは、ダブルサイザの板材、パネルの寸法決定加工を主眼とする機械とちがってほぞ、直線面取、止め溝突き加工と多彩な加工が可能なため、それだけに軸数も多くなっていること、またコラムの開閉、定規の調整に手間どり、長時間を費やすなどの欠点がある。 こうした欠点をもつセット変え(寸法セット)の方法を、マイクロコンピュータに記憶させ、加工時にはボタン操作によって呼びだす新鋭機も登場しており、セット変え時間を従来機に比べ10分の1から30分の1へと大幅短縮することを可能としている。これによって多品種少量生産への対応、1本ごとに長さのちがう木造在来住宅の構造材プレカットの生産、効率のアップに大きく貢献している。