用語集

数値制御ルータ(並列式)

数値制御ルータ(並列式) 【英】 numerical control router

 

■慣用語・別称
NCルータ

■機械の構造
テーブル、主軸の移動を数値制御(NC=numerical control)により行ない、工作物を加工する木工フライス盤。 刃物軸やテーブルを希望通りに動かしているのがNC装置で、加工形状を数学的に分析したさん孔テープをセットし、その穴を通してくる光を光電管で読みとって機械に送って加工する。通常、数学上のX、Y、Z軸を刃物とテーブルの移動におきかえ2軸、3軸を同時にコントロールし、2次元、3次元の加工を行なう。近年ではさらに軸を増やして4軸、5軸を同時制御する複雑な動きをするNCルーターまで開発されている。 並列タイプとは、加工ヘッドを特殊合金鋼製のレール上に一列にならべたもので、このほかのタイプとして、円形の主軸にルータ軸が同心円状に配列してあり、旋回切削するタレット式がある。

■概要
数値制御とは、加工する形状を数学的に分析してさん孔テープに打ち込み、その穴を通して送られてくる光を読みとって自動的に加工するように制御することで、この制御方式を木工機械に採用したのがNCルータである。 作業としては、ルータと同じで切り抜き、座ぐりおよび面取り、彫刻などの複数曲線、曲面の加工に適し、しかも型板、倣いを使用しないでその精度を正確に出せることが最大のメリットとしているが、加工材の固定と送材が自動(テーブルと刃物が移動する)で行なわれるため、細かい作業を行なうに際しても人手を必要としないことから、危険防止につながっていることは、かくれたNCルータの評価ということができる。 NCルータの特徴をあげると

①作業者に熟練を必要としない
②治具を必要としない
③製品の精度、寸法がよくばらつきがない
④切り抜きと穴あけが同時にできる
⑤モデルチェンジによって、専用機のように使えなくなることがない

等があげられる。 NCルータの性能を説明する手段として、例えば、「4ヘッド4軸同時制御型」というような表現を使う。これは、ボーリング軸とか面取り軸を備えたヘッドを4個もち、X、Y、Z軸のほかにもう1軸(つまり刃物の上下、刃物の動き、テーブルの動きに加えて、もう1つの動きをする)が同時に動くことを意味している。 家具、楽器、高級ドア、住宅部品、電子キャビネットの穴あけ、面取り、切り抜き作業を行ない、また、同時に多数枚のルーティング、ヘッドのルータ軸に刃先形状の異なるルータビットを取付け、多工程のルーティングにも対応でき、NCルータの用途は広い。