多軸ほぞ取り盤
多軸ほぞ取り盤 【英】 multi-head tenoner
■慣用語・別称
ほぞ取り盤 ほぞ取り
■機械の構造
4本以上の主軸に取り付けられた各種の刃物により加工するほぞ取り盤。端切り丸のこ、上横かんな、垂直カッター軸の4軸を備え、これに加工材を固定し手動によって往復運動を行なうテーブル(定規、材料固定装置付)がついている。 テーブル上に材料を固定し、まず端切り丸のこで加工材の先端をそろえ、次に毛引き刃付きの上横かんな、下横かんなの間を横けずり方式で一枚ほぞを作る。そして立軸カッターで馬乗ほぞや、二枚ほぞとなるように仕上げ加工をふくめた未加工部分を加工して完了する。
■概要
機能的には立軸ほぞ取り盤と横軸ほぞ取り盤をドッキングさせたもので、馬乗りほぞ、二枚ほぞの加工が立軸ほぞ取り盤と同じように加工できるが、最初に横軸かんな胴で粗加工してから、立軸カッターで切削するため、立軸主軸の切削負担を軽くするようになっている。
ほぞで大切なことは、穴に対するほぞの厚さと長さ、そして接合部の外観を形勢する胴付け部の工作にあるとされている。昇降丸のこ盤を使用してほぞ取り加工もできるが、作業能率、精度とも専用機に劣ることはいうまでもない。 主軸数も4軸となると、セット決め時間が問題となる。これの短縮を図るため、ほぞの形状と刃物軸の位置をコンピュータに記憶させて、必要なときにボタン操作によってフィードバックさせる新鋭機も開発されている。同機を使用することによって高度の技術を必要とせずボタンを押すだけで、しかも、刃物のセット決め時を従来機の約30分の1に短縮でき、多品種少量生産にも対応できるほぞ取り盤ということができる。 障子、ガラス戸、ドアなどの建具工場からドア枠などの住宅部品工場は必要不可欠の設備となっている。