用語集

糸のこ盤

糸のこ盤 【英】 fret saw machine,universal scroll saw machine

 

■慣用語・別称
糸のこ ミシンのこ

■機械の構造
一般に糸のこ盤はフレーム、テーブル、アーム、糸のこ刃、クランク、吊上スプリング、モーターの各部からなっており、モーターの回転運動をクランクを通して、上下運動にかえる仕組のものをいう。糸のこ刃は下部のクランクと上部のアームにささえられて振動するが、常にピーンとはっていなければならないため、上部の吊上スプリングで糸のこ身に張力が与えられている。

■概要
小さい曲率の曲線を挽き回す細幅の鋸をカムとスプリングによって上下に揺動させて挽き回す機械で、足踏み式と電動式とがある。中抜き作業が楽な上部より糸のこ刃をレバー操作で挿入するだけでセットできる自動狭着機構付のものもある。糸のこ刃は15cm程の長さで、厚さは0.5mm前後が基本。また、木工用の糸のこ刃には、2山~5山の返し刃があり、素材裏面の仕上げを行なう。糸のこ盤は非常に幅の狭い糸のこ刃を上下に振動させて切断するため、糸口が細かく、美しい曲線に切断でき、また糸のこ刃の脱着が容易なため、素材の中抜き作業が楽にできる。糸のこ刃を替えることにより、木材・金属・プラスチック樹脂など、いろいろな材料の加工が可能である。使用業種は、切抜き・中抜き加工ができるため、広範囲に使用されている。とくに建具、看板、トムソン抜型、木型、工芸品、仏具などの加工業者に適するほか、安全性に非常に優れ、使い易い利点も備えているため学校教材としても広く使用されている。